対してバイオ燃料の開発を手掛けるユーグレナは、2005 年に世界で初めて石垣島で微細藻類ミドリムシの食用屋外大量培養技術の確立に成功。石垣島で生産したミドリムシ・クロレラなどを活用した機能性食品、化粧品等の開発・販売を行うほか、バイオ燃料の生産に向けた研究を行ってきた。
この過程で開発されたバイオ燃料は、既存の化石燃料と比べると理論上CO2排出量が少ない再生可能な液体燃料であり、欧米を中心に世界中でも普及が進んでいる。
但し従来型のバイオ燃料は、トウモロコシやサトウキビ、大豆、パームといった作物を主な原料とするため、食料との競合や、森林破壊にともなう温室効果ガスの増加といった問題などが指摘されている。
ユーグレナが製造するバイオジェット・ディーゼル燃料は、ミドリムシ油脂や廃食油などを主原料とすることで、食料との競合や森林破壊といった問題を起こさず持続可能性に優れた燃料となることが期待されている。
また同燃料は、化石燃料を使用している既存のエンジンに問題なく適用可能であり、水素や電気といった代替エネルギーへの移行に必要とされる多大なインフラコストも掛からないため、既存インフラの維持という面でも効率性が高いことから利用拡大に拍車が掛かる可能性がある。
バイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントの概要は以下の通り
場所:神奈川県横浜市鶴見区末広町1丁目1(AGC株式会社 京浜工場内)
敷地面積:7,787.6㎡
製造能力:日産5バレル
製造量:年産125KL(試験の実施状況および保守の発生状況等により数量は変動)
製造品目:バイオジェット燃料、次世代バイオディーゼル燃料、バイオナフサなど
製造技術:Biofuels ISOCONVERSION Process(通称:BICプロセス)※Chevron Lummus Global / ARA社よりライセンス供与。
投資総額 :約58億円(神奈川県および横浜市からの助成含む)
①反応装置棟:原料(ミドリムシ油脂や廃食油)からバイオジェット燃料とバイオディーゼル燃料を製造する設備。
②バイオ燃料タンク:製造したバイオジェット燃料、ディーゼル燃料を貯めるタンク。
③貯蔵タンク:バイオジェット燃料、バイオディーゼル燃料をそれぞれ石油系燃料と混ぜた燃料を貯めるタンク。
④出荷場:完成したバイオ燃料を出荷する設備。
⑤事務棟:実証プラント内の遠隔操作や、実証プラント内の管理・運営をするオフィスが入る。
⑥用役設備:実証プラントに蒸気、圧縮空気など供給する設備。( MOTOR CARSから転載 )