ENEOSは12月27日、来たる2023年1月5日~8日に米国ラスベガスで開催される世界的な技術見本市であるCES2023に初出展すると発表した。
同社は予てよりエネルギー・素材に於ける創造と革新のため、独自の技術開発に併せてスタートアップとのオープンイノベーションを通じ、新たな価値創造に取り組んでいる。
今回の出展は、そうした実績を背景に電気自動車(EV)用潤滑油製品、GRC社のデータサーバ液浸冷却システム、データサーバ用の冷却油、潤滑油を含めた材料開発を高速化する汎用原子レベルシミュレータMatlantisの展示などを介して、グローバル環境下からの事業パートナーシップ拡大の可能性を探っていく。
今回出展の技術分野に係る説明は以下の通り
1.EV用潤滑油製品
今後更なる普及が見込まれるEVには、高い絶縁性能や冷却性能、ギヤ保護性能などを備えた専用フルードが求められる。そうしたなかで同社は自動車用潤滑油など幅広い種類の潤滑油開発に長年に亘って携わっている。
その結果、オイルに対する新たな必要性能を高いレベルで満足させる独自の潤滑油技術を確立。 日々進歩を続けるEVの駆動システムに対して、独自の潤滑油技術により、今後も革新的な技術および商品・サービスを提供し続けられる技術であると謳っている。
2.GRC社のデータサーバ液浸冷却システムとデータサーバ用冷却油
デジタル化社会の急速な広がりを受けて、今後、データセンターの電力消費は大幅に増加する。
これに伴いデータセンターのエネルギー消費の削減を目的とした冷却技術にも注目が集まっている。ENEOSの同技術分野でのパートナー企業のGRC社は、データセンターの冷却システムを開発している米国テキサスのスタートアップ企業で、環境負荷の小さい炭化水素系冷却油を循環させる単層液侵冷却システムのパイオニアでもある。
3.材料開発を加速する汎用原子レベルシミュレータMatlantis
Matlantisは、原子スケールで材料の挙動を再現して大規模な材料探索を行うことの出来る汎用原子レベルシミュレータ。これはENEOSとPreferred Networksとの共同研究により開発されている。
それは従来の物理シミュレータに深層学習モデルを組み込む事で、計算スピードを従来の数万倍以上に高速化させると共に、領域を限定しない様々な物質への 適用が可能だ。
このMatlantisは、Preferred Computational Chemistryが販売しており、2021年7月にクラウドサービスとして提供を開始した。
既に2022年9月1日時点で、41の企業・研究団体に導入され、触媒、電池材料、半導体、合金、潤滑油、セラミック材料、化学材料など幅広い開発に用いられている。
今回のCWSでは、このMatlantisに関する展示に加えて、Matlantisを当社の潤滑油研究開発に活用し潤滑油の作用メカニズム解明や、改良品の高速な探索などに適用した具体的事例について展示する。
開催期間 :2023年1月5日(木)~1月8日(日)※現地時間
展示会会場 :Las Vegas Convention Center
当社ブース:Booth #9627(North Hall, AI/ROBOTICS Area)