ヤマハ発動機は9月1日、ティアフォー、および同社と2020年に設立した合弁会社「eve autonomy(イヴオートノミー)」とともに、三社で新型自動運転EVを開発したと発表した。
また、eve autonomyでは、同車両を用いた自動搬送サービス”eve auto”の来夏からの提供開始に向け、同日より先行受注を開始する。
“eve auto”は、屋内外の環境を含む、閉鎖空間における搬送の自動化ニーズに対応できるように開発された自動搬送サービス。これまでヤマハ発動機の浜北工場をはじめ、複数の工場での実運用を通じたフィードバックを踏まえて、特に走破性、牽引・積載能力を必要とする自動搬送ニーズに応えるために開発した。
今回、新規開発した車両は、自動搬送サービス向けの量産を見据えた小型EVとしている。ティアフォーが開発を主導するオープンソースの自動運転OS「Autoware」の技術と、ヤマハ発動機の高い信頼性を持つ車体開発技術を掛け合わせて共同開発。一定の段差・傾斜にも対応できる走破性と、天候や周辺物などの変化に対するロバスト性を有しながら、1,500kgまでの牽引能力もしくは300kgまでの積載能力を併せ持つ。
本サービスでは、自動化を阻む初期導入のハードル「高い初期費用」と「長期間におよぶ導入工事」をクリアすることを目指して、サブスクリプション型契約形態を採用。また、運行管理システムやアフターサポートもワンストップで提供する。
モノづくり・生産現場の物流状況は、高まる多品種少量生産のニーズや慢性的な人手不足により、作業員配置を前提とした従来型の設備・運用では、効率的な生産体制の維持が難しくなってきている。
同社によると、これら自動搬送サービスを導入することで、工場内での効率的なオペレーションの推進や、人為的な事故件数の減少が期待でき、特に生産ラインの変化が大きい製造現場・工場や、広い敷地内での搬送ニーズがあるプラント、建物間の坂路を含めた搬送自動化が求められる物流拠点をはじめとして、さまざまな場所にて利用できる。また、商用サービス以外の用途として、自動運転技術の研究開発プラットフォームとしても利用可能だとしていている。