次世代車の心臓部をどこが握るのか、その覇権争いは、次の100年を刻もうとする未来の日本国内産業の浮沈を握る鍵でもある
統合ECUソフトウエアの開発を一手に担う新たな合弁会社は、先のパワーユニットと同じく、世界規模で個々自動車メーカーのニーズに合わせた統合ECUの制御ソフトウェア開発に注力する。
4社は互いの強みを組み合わせ、センサーやステアリング、ブレーキといったハードウェアと統合ECUを巧みに組み合せることで、高度な自動運転の実現に向けて、キー技術を持った事業体となり、次世代の自動車開発に対して、決定的な主導権を握っていく構えだ。
このデンソー、アイシン2社による合弁。そしてデンソー、アイシン、アドヴィックス、ジェイテクト4社による合弁のいずれも、来る2019年3月の設立を目指している。
いずれもその取り組みは、世界規模で新たな動力並びに神経系が求められる次世代車両開発に向けて、まさに今後相次いで登場する「クルマの心臓部をどの企業が握るか」という厳しい国際企業の生き残り競争にデンソー、アイシン、アドヴィックス、ジェイテクトの4社がスクラムを組んで参戦していくことを意味している。
それは4社の強みを掛け合わせて、「持続可能な社会の実現に貢献していく」というキレイ事とも捉えられる建前で済ませられることではなく、次の100年に向けて、大袈裟に言えば、日本国内産業の浮沈を握っているといって良い取り組みであるといえるだろう。( MOTOR CARSから転載 )