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2019年2月28日【オピニオン】

エニカ、0円マイカーで個人間カーシェアの爆発的普及を目指す

坂上 賢治

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(1)個⼈間カーシェア事業
これまでDeNAが運営してきた個⼈間カーシェアサービス「Anyca」を新会社でも引き継ぐ。本格事業開始は2019年4⽉から。

 

(2)個⼈間カーシェア専⽤保険の提供検討
上記個⼈間カーシェアに特化した専⽤保険を提供し、個人間カーシェアに対する不安を拭い去り「安⼼」の提供を加速させる。

 

(3)「0円マイカー」の提供
カーシェア機能を搭載した⾞を個人の車両ユーザーに提供することで自動車保有コストの負担低減を目指す。ちなみに既に車両保有しているユーザーに対しても、新たにカーシェア機能を搭載することを前提にシェア運用益の一部を対象の車両ユーザーへ還元する。

 

 これら3つのサービスを組み合わせて、カーシェアに対する地域ニーズが⾼い都市部から順に、期間限定での提供を行っていく予定だとしている(*提供地域が都市部からというのがポイント。さらに観光地などカーシェアニーズの高い地域から、消費者の意識改革を促していく策であることが伺える)。

 

結果、同取り組みを介して「0円」に近い実質負担でマイカーが持てる世界感を車両ユーザーに対して醸成することで、個⼈間カーシェアの爆発的普及に繋げていく構えだ。

なお両社では、事業発表を行った同⽇から下記URLのサイト上で、同サービス提供に関わる事前アンケートを開始している。

 


https://anyca.net/contents/zeroyenmycar  >

 

「DeNA SOMPO Carlife」事業の青写真は以下の通り

 

・マイカーリース事業
「DeNA SOMPO Carlife」は、2019年6⽉からマイカーリース事業の開始を予定。個人の車両ユーザーに対してマイカーリース商品の取次を開始する。事業規模はSOMPOホールディングスグループのネットワークを通じて、将来的には⽉間1,000台規模の提供を⾒込んでいる。

 

サービス提供に関わるビジネスモデの計算式は以下の通り

 

稼働率=年間運転時間÷365⽇÷24時間×100=約3.4%
-年間運転時間=年間平均⾛⾏距離÷国内平均移動速度=301.3時間
-年間平均⾛⾏距離(⾃家⽤乗⽤⾞)=10,575km
-国内平均移動速度=35.1km/h

注1*以上は国⼟交通省道路局調査データから独自算出
http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-data/data_shu.html >
注2*⼀定回数の利⽤が無料となるのみであり、駐⾞場代をはじめ⼀部費⽤等が発⽣する。
注3*⾞両の使⽤者を「DeNA SOMPO Mobility」とする必要がある。
注4*個⼈間の共同使⽤契約によるカーシェアではないためレンタカー登録となる。
注5*正式参加にあたっては審査が必要。

 

「DeNA SOMPO Mobility」(個⼈間カーシェア事業)
会社名 :株式会社DeNA SOMPO Mobility(ディーエヌエーソンポモビリティ)
所在地 :東京都渋⾕区渋⾕⼆丁⽬21番1号
設⽴予定⽇ :2019年3⽉
事業開始予定⽇ :2019年4⽉
代表者 代表取締役社⻑ :中島 宏
事業内容 :個⼈間カーシェア事業

 

「DeNA SOMPO Carlife」(マイカーリース事業)
会社名 :株式会社DeNA SOMPO Carlife(ディーエヌエーソンポカーライフ)
所在地 :東京都渋⾕区渋⾕⼆丁⽬21番1号
設⽴予定⽇ :2019年3⽉
事業開始予定⽇ :2019年6⽉
代表者 :代表取締役社⻑ 中島 宏
事業内容 :マイカーリース運営事業

 

 以上、ビジネスモデルの発想の筋自体は良いものと考えられるが、消費者層の意識改革がどれだけ進むかが「鍵」と考えられる。このため今回の初期事業化にあたっては「⽉間1,000台規模の提供」と事業規模が暫定的な範囲に限られている。

 

両社の合弁事業としては比較的規模が小さいため、該当事業が一定の成功に至った暁(あかつき)には、新たな事業展開策が控えているのだろうと見られる。

 

いずれにしてもサービス提供に対するセンシティブな「課題」は残されており、当初は、両社ともに慎重かつ大事にビジネスモデルの拡大を目指していくものと見られる。

 

最後に「DeNA SOMPO Mobility」設立時点の資本金は50億円となる予定。またDeNA SOMPO Mobility の持株比率は、ディー・エヌ・エー51%、SOMPOホールディングス49%となり、ディー・エヌ・エーの連結子会社となる予定。( MOTOR CARSから転載  )

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。