図. VPPのイメージ
(経済産業省のHP(https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/advanced_systems/vpp_dr/about.html)より)
REXEVは1月13日、MULユーティリティーイノベーションと、実証実験を実施することを発表した。REXEVは、電気自動車(以下、EV)を使ったカーシェアリング“eemo”並びにエネルギーマネジメントに取り組むEnergy Tech。
今回実施する実証実験は、EVを電力需給の調整に活用するため、REXEVで構築したシステムにて電力取引を想定した指令に基づく制御を行い、 EVのVPP ※1(Virtual Power Plant:バーチャルパワープラント)リソースとしての技術的な評価を行うことを目的としている。
※1:蓄電池やEV等の分散型エネルギーリソースをまとめて一つの発電所のように機能させ、電力の需給バランスを調整する機能(調整力等)を担う
具体的には、REXEVが神奈川県小田原市および福島県会津若松市で運用している車両30台とMUIが遠隔指令により制御する冷凍機、蓄電池などをVPPリソースとして組み合わせ、電力の需給調整への活用の可能性を検証するもの。
REXEVは実証実験において、昨年度、福島県が実施する「再生可能エネルギー関連技術実証研究支援事業」等にて開発したeモビリティマネジメントシステム(eMMS)※2を用いてEVの利用管理や充放電制御を担当し、利用者に不便を感じさせることなくEVが併せ持つ“モビリティ”と“蓄電池”という二つの機能を活用できるよう、EVのエネルギーマネジメントを行い、EVをグリッド内の調整力として機能させる。
※2:REXEVが以下の取組みで開発したe-モビリティのシェアリング管理並びにエネルギーマネジメントを行うシステム
今後、再生可能エネルギー等の分散型エネルギーが普及する中で、電力系統を安定化するための調整力確保はますます重要になってきている。REXEVはEVを調整力として活用することにより、分散エネルギーの導入を促進するとともに、ビジョンとして掲げる「全ての人が限界費用ゼロで移動できる持続可能な社会インフラの実現」の達成に向け取り組んでいくという。
■実証の概要
1.実証内容
– eMMSを用いたVPP機能の構築及び機能検証(上位電力システムとの連携や充放電制御の指令)
– EVをカーシェアとVPPで並列運用する場合の成立性検証
– EVの充放電制御量に関するポテンシャル評価、検証など
2.実証期間
– 2021年1月4日~2021年2月26日(予定)
3.実施体制
– MUI
・リソースアグリゲーターとして、EVと冷凍機・蓄電池などのリソースを集約して、アグリゲーションコーディネーターと調整力の受け渡しを行う。
・アグリゲーターとして、主に冷凍機・蓄電池などのリソースの制御を制御指示に基づいて実施する。
– REXEV
・アグリゲーターとして、EVのリソースの制御をリソースアグリゲーターからの指示に基づき実施する。
■VPP(Virtual Power Plant:バーチャルパワープラント)
急速に普及が予想される蓄電池やEV等の分散型エネルギーリソースをまとめて一つの発電所のように機能させるもの。電力の需給バランスを調整する機能(調整力等)を担う。
■eモビリティマネジメントシステム(eMMS)
REXEVが以下の取組みで開発したe-モビリティのシェアリング管理並びにエネルギーマネジメントを行うシステム。
– 環境省「脱炭素型地域交通モデル構築事業(設備導入)」に 湘南電力・小田原市と共に採択
URL:https://rexev.co.jp/2019/09/19/release/
– 福島県における 「再生可能エネルギー関連技術実証研究支援事業」に採択
URL:https://rexev.co.jp/category/news-release/page/2/
図. 実証の全体構成