日産自動車は3月28日、茨城県高萩市と「車中泊体験の実証実験に関する協定」を締結した。
この協定に基づき、日産は高萩市と連携して、2022年4月28日から5月17日までの期間、車中泊仕様の「キャラバン マルチベッド」を活用した観光プランのもと、市内の自然資源を活用した観光振興や地域活性化に向けた実証実験を実施する。
実証実験では、車中泊仕様の「キャラバン マルチベッド」を貸出し、車中泊スポットとして設定する高萩市内各地の観光名所や、利活用の課題を抱える空き家(旅館業法などの関係で、空き家内での宿泊は出来ないため車中泊となるのだが、リビングで寛いだり、入浴、トイレの利用は可能。ちなみに用意される空き家は建屋の所有者が整備・リフオームされたもので地域の空き家活用の一助になる事を見込んでいる)、公共施設の中から好みのスポットを選択し、当日や翌日に目的地を愉しみつつ車中泊を利用する。
加えて高萩市内の事業者が提供する釣り、スタンドアップパドルボート(SUP)、ブッシュクラフト、ヨガ、乗馬などの自然を楽しむアクティビティや、同市名産の食材を使った食事もセットで提供される。
日産は、今回の実証実験で得た応募者の属性データや顧客ニーズのもと、今後、高萩市と共に同市の観光振興及び地域社会の活性化に向けて取り組んでいく。さらに、実証実験から得られたデータや知見を活用した観光活性化プロジェクトを策定し、観光事業に課題を持つ地方自治体や観光関連事業体へ提案していく予定だとしている。
ちなみに今回の提案は、日産という大手自動車メーカーが参画している割に実験的要素が強いと感じる。おそらく今アイディアを〝小さく産んで大きく育てる〟意図があるのだろう。
仮にこうした宿泊体験専用のアクティビティ車両を仕立てる事を出来たなら、新たな切り口のMaaS車両による異次元の体験が提供出来る可能性も見えてきそうだ。
そうした意味で同提案は、消化不良でありながらも、新たな移動体を使ったビジネスの可能性を見出せそうなヒントに溢れているように思われる。更に趣向を凝らした次なる提案に期待したい。
■実証実験の概要
実施日程: 2022年4月28日(木)~2022年5月17日(火)
募集人数: 10組20名想定 ※小学生以下の場合は追加1名の同伴も可。ペット同伴不可。
募集期間: 2022年3月28日(月)〜4月15日(金)(予定)
応募方法: 特設サイトより応募フォームにて希望日程/車中泊スポット/体験アクティビティを選択 ※応募者多数の場合は抽選
参加費用: 6,000円(税込)/人
体験内容:
・アウトドアアクティビティ体験
・「キャラバン マルチベッド」での車中泊
・1泊2食分の食事付き(1日目:夕食、2日目:朝食) ※昼食は各自