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2023年3月28日【自動車・販売】

カウンターポイント、国際EV市場拡大データの詳報

坂上 賢治

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EV販売は22年に1,000万台突破、同年第4四半期は前年同期比53%増に

 

カウンターポイント社 (カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ)は3月28日、乗用電EV販売が2022年第4四半期に前年同期比53%増加し、2022年合計で1,020万台を超えたとする調査結果を(米国では3月1日に)公開した。

 

なお同発表は、チャネル情報、POSデータ、ディストリビューターアンケート調査、公開データなどボトムアップデータソースとトップダウンリサーチの組み合わせによるカウンターポイント社独自の調査方法(時期:2022年10月1日~2022年12月31日)で実施したもの。

 

その2022年第4四半期に於いて、バッテリーEV (BEV) がEV販売全体の72%を占め、残りがプラグインハイブリッド (PHEV) に。EVの三大市場は中国、ドイツ、米国であり、またEVのトップ10社は、合わせて39の乗用車ブランドを販売し、2022年第4四半期のEV販売のほぼ72%を占めたという。

 

2022年第4四半期におけるグローバルEV自動車企業販売シェア

 

この市場動向の結果についてカウンターポイント社リサーチアナリストのアビク・ムカジー(Abhik Mukherjee)氏は「調査(同調査はBEVとPHEVをEVとして扱い、HVとFCVは同調査の対象外)によると仮にCOVID-19の新たな感染流行が中国で発生しなければ、2022年のトータルは1,100万台近くになっていたはずだ。

 

COVID-19が11月から12月に掛けて流行した中国では、自動車の製造にも販売にもCOVID-19が深刻な影響を及ぼし、部品のサプライチェーンも破壊してしまった。

 

しかしそんな逆風の中でも中国メーカーは力強く成長した。実際、2022年には多くの中国メーカーが欧州、東南アジア、中南米などに事業を拡大し始めた。

 

その理由は東南アジアや中南米で、国際展開している自動車メーカーがほとんどない事がある。このため中国メーカーが世界市場を支配する勢いがみられる。また欧州では市場のプレゼンスを巡って更なる競争が起きる事が予測される。

 

そんな世界市場ではEVのトップ10車種が、2022年第4四半期の乗用EV販売全体の1/3を占め、TeslaのModel Yが世界で最も売れた車種の地位を守り、BYDのSongがその後を追っている。

 

2022年第4四半期におけるグローバルEV自動車販売トップ10ランキング

 

またModel Yは、2022年第4四半期に2か月連続で、欧州に於いて最も売れた車種となっており、2022年第4四半期に於けるEVのトップ10車種のうち7車種がBYDとWuling製という結果となった。この2社は中国市場でも圧倒的な存在感があり、同国のEV市場の進化を牽引している存在だ」と説明する。

 

更に今後の電気自動車市場の行方関してカウンターポイント社シニアアナリストのソウミン・メンダル(Soumen Mandal)氏は「EVは予想より速いペースで主流になりつつある。2023年末にはEVの販売は1,700万台近くになるだろう。

 

特に米国市場に於いては、7,500米ドルの税額控除が受けられるため、今年は米国EV販売が押し上げられるだろう。

 

一方、中国では購入補助金制度が終わるため、EV各社が販売価格を上げる可能性がある。BYDはすでに1月に価格の引き上げを行った。

 

とはいえ、中国のように成熟したEV市場に於いては、こうした価格引き上げが販売(販売は卸し段階の数字であり各社工場からの出荷の台数を指す)に影響を与える可能性は低い。

 

リチウムの価格が2023年後半に下落する見通しである事もEV販売には追い風である」と語っている。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。