本田技研工業(ホンダ、本社:東京都港区、社長:八郷隆弘)は7月10日、寧德時代新能源科技股份有限公司 (CATL)と車載バッテリー協業で包括的なアライアンス契約を締結。電動⾞事業の拡大に向け戦略パートナーシップを強化する。(坂上 賢治)
ちなみにこの締結は、バッテリーの共同開発・安定生産と供給ばかりではなくリサイクルとリユースへも波及する裾野の広いものとなった。CATLとホンダは両社技術を持ち寄った新エネルギー⾞⽤バッテリーの共同開発及び、将来基礎技術の共同研究を進めていく。
加えてCATLは、ホンダ向けに電気⾃動⾞(BEV)を中心とした新エネルギー⾞向けバッテリーの安定供給を実現させる意向で、来る2022年目途に中国生産モデルへの供給開始を予定。将来的にはグローバルでの展開も視野に入れている。また、両社は将来を⾒据えたバッテリーリサイクル及びリユースに向けたスキーム構築の領域に於いても今後協議を開始していく構えだ。
対するホンダはCATL の第三者割当増資の引き受けを⾏うことで、CATL 株の約1%の株式を取得した。これによりホンダはCATL のトップ戦略パートナーとなり、商品競争⼒及びコスト競争⼒のあるバッテリーを安定的に確保するための糸口を掴んだことになる。
ホンダから資金を得たCATLは、バッテリー開発力の強化のみならず生産能⼒自体も更に拡⼤させていくという。こうした背景から両社は、電動⾞普及拡⼤に向けた取り組みを共に強化し、⻑期にわたる関係を構築していきたい意向だ。
今協業についてCATLプレジデントのZhou Jia氏(周 佳)は「ホンダはグローバル市場に於いて電動化戦略を推し進めるキープレイヤーであり、今回の提携によりホンダとCATLはグローバルパートナーシップ強化を強固し、競争⼒のある電動化商品と最適なソリューションを提案し、クリーンかつ快適な楽しい移動生活の実現に向けて努⼒していきます」と話している。
一方、本田技研工業の専務取締役で、ものづくり担当取締役の三部 敏宏氏は「今提携により、CATL とのパートナーシップをより強化することができました。加速する電動化でCATL はホンダに新たな⼒を与えてくれるパートナーであり、⻑期的なアライアンスによってホンダ の電動化における商品競争⼒を⼀層向上できると確信しています。ホンダは、今後も⾃由な移動の喜びの提供と、持続可能な社会の実現に取り組んでいきます」と結んでいる。