シトロエンは4月12日、新型フラッグシップモデル「C5 X」を発表した。
このモデルは、サルーンとステーションワゴンを組み合わせたデザインで、ラージセグメントに投入される。「シトロエン・アドバンスト・コンフォート®プログラム」が提供する究極の快適性により、車内での真の安らぎを提供するという。新開発の「シトロエン・アドバンスト・コンフォート・アクティブサスペンション」や「アドバンスト・コンフォート・シート」など、ラウンジのような室内空間を提供するためのパッセンジャーコンパートメントを備えている。
また、拡張ヘッドアップディスプレイ、半自律走行を実現する運転支援システム、音声認識機能を備えた12インチHDタッチスクリーン・コミュニケーション・インターフェースなど、車内での快適性を高める最新のテクノロジーが搭載されている。
なお、C5 Xは、ガソリンエンジン仕様とプラグインハイブリッド仕様が用意されており、2021年後半に欧州で発売される予定。
ヴァンサン・コベ、シトロエンCEOは次のように述べている。「シトロエンは、C5 Xという野心的なラージツーリングビークルを生み出しました。まさに、世界を旅したいと願うお客さまにご満足いただくための真のツールです。大胆で独創的な今回のニューモデルには、シトロエンの培ってきた技術がすべて具現化されています。それはつまり、革新、行き届いた配慮、そして何よりも、わたしたちがここである種のアール・ド・ヴィーヴルとして高めている幸福感なのです」
ボディスタイル
ユニークなコンセプト
C5 Xのボディスタイルは、Dセグメントのスタイリングのコードを刷新し、SUVの魅力的な要素を加えてサルーンとステーションワゴンを融合させたファストバック型のボディスタイルを採用。エアロダイナミクスに特に配慮している。
シトロエンの大型車の特徴のひとつであるテールゲートは、ステーションワゴンとしての実用性を備えており、広く機能的な開口部と低いローディングシルにより、日常的な使い勝手の良さを実現する。
路面追従性を高めるハイスタンス
従来のサルーンよりも高くなったグランドクリアランスと、19インチトール&ナロータイヤを装着した720mmの大径ホイール(ほとんどのバージョンに適用)により、高い位置でのドライビングポジションを実現し、安全性と視認性を高めている。
ホイールベース2,785mmの優れた後席空間を持つC5 Xは、全長4,805mm、全幅1,865mm、全高1,485mmという、Dセグメントの中心に位置するゆとりあるサイズとなっている。
モダンでハイテクなライトシグネチャー
C5 Xは、新型C4で導入されたシトロエンのあたらしいV字型のライトシグネチャーをフロントとリアに採用。このライトシグネチャーで、一目でシトロエンであることがわかるという。
シトロエンデザインダイレクター、ピエール・ルクレールは次のように述べている。「サルーンのエレガンス、ステーションワゴンのダイナミズム、SUVのタフネスを兼ね備えた革新的なスタイリングを持つC5 Xは、シトロエンの大胆なスタイルを体現しています。そのユニークな形態、空力的なライン、モダンなライトシグネチャーは、走行中にも一目でわかる、まさに真のシトロエンです」
パッセンジャーコンパートメント
快適さと静けさのラウンジスペース
C5 Xは、シトロエンのカスタマイズ哲学に基づき、ドライバーのイメージに合わせてパッセンジャーコンパートメントを形作ることができるオリジナルのインテリア環境を提供する。
アドバンスド・コンフォート・シートは、特別なパッドの加工がされ、あたかもマットレストッパーのように仕上げられている。リビングルームでくつろいでいるかのような快適な座り心地を提供し、独特の心地よさと視覚に訴えるコンフォートを感じることができるという。
C5 Xには、シトロエンならではのシトロエン・アドバンスト・コンフォート・サスペンションも搭載。このサスペンションは、あらゆる障害物、くぼみ、縁石、スピードバンプ、その他の路面のジョイントなどの走行に対応するために設計されている。さらに、プラグインハイブリッド仕様のC5 Xでは、さらに一歩進んだ制御を実現するシトロエン・アドバンスト・コンフォート・アクティブ・サスペンションを搭載。3つのモードから選べるこのサスペンション・コントロールシステムは、プログレッシブ・ハイドロリック・クッション®の効果を高めている。
C5Xをデザインする過程で、居住性は非常に重要視されていた。フロントは、快適なシートとすっきりとしたダッシュボードにより、広大でクリーンな居住空間を実現。リアエリアでは、優れたレッグルームスペース、ゆったりとした車幅、ルーフ部分までに余裕のある空間を備えている。
また、後部側面の窓ガラスを含む車内の360度ガラスエリアの明るさや、必要なときにいつでも光を取り入れられる大開口のガラスサンルーフ、遮音性の高いラミネート加工を施したフロントウィンドウとリアウィンドウを採用するなど、居住性をさらに高めている。
ステーションワゴンの多用途性と日常的な実用性
C5 Xのトランクは、寸法面からも機能面からもステーションワゴンの精神を念頭に設計されている。フラットなフロア、広く機能的な開口部、低い乗り込み口、フラットな側面などにより、545リットル、リアシートを倒すと最大1,640リットルの広い積載量を実現。テールゲートと連動したラゲッジロールアップは荷物の積み込みを容易にし、電動テールゲートにはハンズフリー機能が備わるため、両手が塞がった状態でも開閉することができる。パッセンジャーコンパートメント全体には、収納スペースがあり、日常のあらゆるアイテムを収納したり、保管したり、隠したりすることができる。
プラグインハイブリッドのë-Comfort
C5 Xにはガソリン仕様とプラグインハイブリッド仕様の両方が用意されており、225馬力を発揮するこのPHEVでは、静かに始動し、CO2排出量ゼロで走行することができる。また、ZEVモードでは50km以上の走行が可能で最高速度は135km/hまで。同社によると、自宅や職場、あるいは公共の充電ポイントで必要に応じて充電すれば、普段の生活を送りながら1週間内燃機関を使わずに過ごすことも可能。C5 X Plug-in Hybridは、ë-Comfort classモビリティーとして、道路と外の世界から完全に切り離されたような完全なる静かさの中で落ちついた、まるで繭の中にいるような感覚を提供するという。
テクノロジー
拡張ヘッドアップディスプレイ
拡張ヘッドアップディスプレイは、フロントガラスに映し出されるフルカラーの大型ヘッドアップディスプレイ。ドライバーの視界にすべての関連情報を表示するため、精神的負担を軽減する。これは、19_19 Conceptで予見された没入型テクノロジーであり、AR(拡張現実)への第一歩となる。
My Citroën Drive Plus
C5 Xは、コネクティビティ―を重視したシトロエンのまったくあたらしいインフォテインメント・インターフェースだという。12インチHDタッチスクリーン、4つのUSB Type-Cソケット、ワイヤレススマートフォン充電を備え、クラウドを介してリアルタイムに更新され、スマートフォンをコードで接続しなくてもミラースクリーンが表示される。カスタマイズ、お気に入りの表示設定、ホーム画面のウィジェットなど、タッチスクリーンのタブレットのようなインターフェースを採用。また、このシステムには、音声認識機能も搭載されており、19_19 Conceptで提案されたパーソナルアシスタントのように作動する。
運転支援システム
C5 Xは、レーダー、カメラ、センサーなど、車体のあらゆる箇所に配されたさまざまなデバイスを活用し、現行法に準拠した半自律走行レベル2のドライビング体験を提供する。アダプティブ・クルーズ・コントロールとストップ&ゴーを組み合わせた「ハイウェイ・ドライバー・アシスト」や「レーン・キーピング・アシスト」では、ドライバーが速度や進路を管理する必要がなく、クルマがこれらの機能をすべて担う。
その他にも、ロングレンジブラインドスポットディテクション、バック時の危険を検知するリアクロストラフィックアラート、タッチスクリーンタブレットに外部環境を表示して操作を容易にするトップ360ビジョン、キーを持ったドライバーがクルマに近づくもしくは離れると自動的にドアをロック/アンロックするプロキシミティハンズフリーアクセス&スタートなど、多くの機能を備えている。
シトロエンプロダクト戦略ダイレクター、ローランス・ハンセンは、「C5 Xをとおし、現代性、洗練性、快適性、多機能性を求めるDセグメントのお客さまに、感情と理性に訴えるクルマを提供したいと考えました。ユニークなボディスタイル、さらに向上したコンフォート、プラグインハイブリッドエンジンと革新的な技術により、C5 Xはシトロエンらしい喜びと安心感を提供します」と述べている。