中日本高速道路(以下「NEXCO中日本」) 八王子支社は5月27日、高速道路リニューアルプロジェクトの一環として、2021年5月31日から2023年5月頃まで、E20 中央自動車道(中央道)の国立府中インターチェンジ(IC)~八王子IC間で、「多摩川橋」の老朽化したコンクリート床版(車両の荷重を受ける橋の床部分)を新しい床版に取り替えるリニューアル工事を実施すると発表した。
工事を実施する区間は、都心への通勤や行楽シーズンのレジャーなどで年間を通して交通量が多いことから、他のリニューアル工事で実施している対面通行で長期にわたり車線を規制する方法では、大規模な渋滞が予想される。
そのため今回の工事では、橋梁の中央分離帯を改良して新たに2車線分の走行路として活用し、床版取替工事の間、中央分離帯に車線をシフトして車線数を確保する渋滞対策が行われる。
なお、このように橋梁の中央分離帯を改良して車線をシフトする渋滞対策は、高速道路会社では初めてとなる。
■ニューアル工事の概要
– 区間E20 中央道 国立府中IC~八王子IC間
– 工事内容:「多摩川橋」の床版取り替え
– 工事期間:2021年5月31日~2023年5月頃(約2年間)
※土曜・日曜・祝日も工事を実施。準備工事を5月10日からの集中工事で実施している。
■工事の内容
老朽化した橋梁のコンクリート床版を撤去し、新しい床版に取り替える工事を昼夜連続でおこなう。現場での作業時間の短縮と取り替える床版の品質の確保のため、あらかじめ工場で製作した床版を使用する。
新しい床版の設置の様子(イメージ)
床版下面にひび割れが発生している状況
■中央分離帯に車線をシフトして床版取替工事をおこなう方法
STEP 1 : 上下車線の路肩を活用して外側にシフトし、中央分離帯に新たに2車線の走行路を整備する。
STEP 2 : 走行路を整備した中央分離帯に下り線の車線をシフトし、下り線の床版取替工事をおこなう。
STEP 3 : 走行路を整備した中央分離帯に上り線の車線をシフトし、上り線の床版取替工事をおこなう。
※床版取替工事の後、工事着手前の車線に戻して全体の工事が完了する。
【着手前】
【STEP1】中央分離帯部の改良〔期間:2021年5月10日~2022年5月頃〕
【STEP2】下り線の床版取替工事〔期間:2022年5月頃~2022年11月頃〕
【STEP3】上り線の床版取替工事〔期間:2022年11月頃~2023年5月頃〕
【参考】対面通行規制による床版取替工事
■今後の展開
車線を規制することにより大規模な渋滞が予想される重交通路線などでは、今回と同様な構造であることなどの条件が整った場合には、中央分離帯や路肩などの道路幅員を活用した渋滞対策を検討する。