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2024年7月23日【アフター市場】

カーター、3輪トライクに250ccモデルを追加へ

坂上 賢治

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神奈川県相模原市のカーターが総輸入元として販売(累計1,000台超え)する「APtrikes125(エーピー・トライク125)」に7月23日、新たに250ccエンジンを搭載した「APtrikes250」が追加される。販売開始予定は2024年秋頃。販売価格は車両本体価格で70万円台を予定している。

 

同社によると、既に多くの販売実績を積み上げてきた「APtrikes125」は、「普通自動車免許OK」「保険・税金が安い」「車検不要」という利便性で好評を得ているというが、今回は125ccモデル販売実績並びにユーザーの利活用から得たフィードバックに基づき、250ccエンジンを搭載した上で、幾つかの改良も施したという。

 

 

それによると現行の125ccモデルは、単独( 運転者だけの一人乗車 )で平坦な道路を走行する分には、必要充分な性能を持っているとのことだが、複数人( 最大乗車定員3名 )での乗車時、また重量物を積載した場面、急な坂道での登坂力で若干の力不足を感じるという意見を得た。

 

そこで今回、新たに「APtrikes250( エーピー・トライク250cc )」の開発に着手。250ccエンジンを搭載したモデルは、125ccよりも出力を高めて長距離走行にも適したものとするべく、現在、エンジンの耐久性能の確認など、実販売に向けた実証を重ねている最中だという。

 

 

そんな現在のプロトタイプモデル(市販予定車)は、現行モデルのAPtrikes125( 125ccエンジンモデル )と同じ中国・2輪エンジンメーカー大手のZONGSHEN( ゾンジェン / 宗神グループ )製を搭載した。なお125ccエンジンとは仕様が大きく異なり、排気量アップに伴う発熱量をクリアするべく、水冷エンジンになっていると話している。

 

併せて変速機は5段変速へと変更。多様な走行条件下に於ける適応性を拡大させた。車体骨格を構成するフレームも新設計として250ccエンジンに対応。例えばサイド部分のアルミフレーム部は、250ccモデルの振動に耐えうる肉厚に変更し強度を確保した。

 

また、サスペンション構造は従来のスイングアーム式から3リンク式リジッドアクスルサスペンションへ変更して強度及び操縦安定性の向上を図ったとしている。一方で車体サイズは従来の125ccモデルと同じコンパクトさに抑え、日本の道路事情や、従来通りの保管スペースに収められるようにしているという。なお、先のAPtrikes125( 125ccモデル )と同様、250ccモデルも普通自動車免許( AT )で運転することができる。

 

同社によるプロトタイプテスト状況は以下の通り

 

市街地の通常走行に於けるテスト
APtrikes125(125ccモデル)と比べエンジン出力が高くなった事や5段変速に変更し、常用回転数が低減したことにより、エンジンへの負担を軽減できた。

 

 

登坂力チェックは俗に言う峠道を走行。APtrikes125( 125ccモデル )と比べ、エンジンのトルクがアップした事で、速度低下を抑えられており再加速性能も大きく向上した。

 

また高負荷及び、通常走行ではあり得ない過酷な状況でのテストや、高回転の負荷をかけた状態の冷却水の温度や、油温のチェックなどを行い、250ccエンジンの性能を検証した。

 

長距離走行テストも実施
神奈川~大阪間の約500km( 往復1,000km )の高速道路走行テストも実施。250ccモデルの連続走行時の耐久性や、その他で発生しうる問題点を確認した。※ 3輪トライクでの法定最高速度を厳守しての走行チェックとなる。

 

 

その結果、最高気温約32度での通常走行及び高負荷状況に於いて、水温油温共に80~90度程度で常時安定して約500km完走した。

 

但し走行風が直接当たらないAPtrikesであるので、フルオープンのオートバイと比較すると疲れは感じ難いながらも、小型3輪車両という特性上、走行安定性は自動車に及ばす。従って引き続き高速道路の利用は、積極的にお勧めしないと結んでいる。

 

エンジンスペックなどの仕様は以下の通り

 

エンジンモデル:ZONGSHEN製 250cc
原動機種類:水冷4ストロークOHV2バルブ単気筒
燃料:無鉛レギュラーガソリン
排気量:246.2cc
最大出力:11.5kW(15.6PS)/7,000r.p.m
最大トルク:19.5N・m(1.98kgf・m)/5,000r.p.m
変速機形式:ロータリー式・5段変速+後退(遠心クラッチ)

 

APtrikes125の全国・正規販売店網は、現在、PDF書面にて提供中。但し、各販売店への来店は、必ず事前予約が必要としているので留意されたい。併せて目下、APtrikes125の正規販売店も募集している

 

 

株式会社カーターについて
株式会社カーター(屋号:PRIMARIDE)は2020年よりAPtrikes125の正規販売店として数多くの車体販売・整備に携わってきた。また、APtrikes125専用のアフターパーツの企画・製造・販売にも注力し、APtrikes125の魅力をより一層高めるべく精力的にプロモーション活動を行っている。

 

【会社概要】
社名: 株式会社カーター (KATER CO.,LTD.)
サービスショップ: プリマライド・PRIMARIDE
本社所在地: 〒252-0244 神奈川県相模原市中央区田名6026-2
代表取締役: 中村 聖士
TEL/FAX: 042-814-8760
設立: 2018年開業(法人化2022年)
WEB:

(企業URL) https://www.aptrikes.jp
(APtrikes125特設サイト) https://primaride.net

現行車のAPtrikes125のPDFカタログURL

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。