カンデラは3月5日、インフィニオン テクノロジーズ社(以下、インフィニオン社)のHMIツール認定プログラムにおいて、「TraveoⅡ-グラフィックコントロールファミリ」のパートナーとして初めて認定されたと発表した。
インフィニオン社は、「TraveoⅡグラフィックコントローラ」でHMIソフトウェアを使用する際に、顧客の開発負荷の軽減と満足度の保証のために、この評価プログラムを設けている。
カンデラは長年にわたり、インフィニオングループのサイプレス セミコンダクタ社と共に、リファレンスボードAmber S6J3200からTraveoⅡグラフィックMCU(CYT4DNxxx)を含むTraveoシリーズにHMIソリューションを提供してきた。
その実績から、カンデラは今回、インフィニオン社の最新HMIツール認定プログラムに参加し、“インフィニオン社のデバイス「TVII-C CPU」を使用して、GPU(Graphics Processing Unit)が提供するすべてのハードウェア機能を活用しながら、カンデラのHMI開発ツールの「CGI Studio」で作成したフルバーチャル・アニメーション・インストルメントクラスターと、湾曲状のデュアルヘッドアップディスプレイを実装する”という認定要件をクリアした。
フルバーチャル・アニメーション・インストルメントクラスターの作成における難題は、2つのメーター間のアニメーションメディアのカバーフローの実装だったという。インストルメントクラスターのすべてのメディア・グラフィックスは2次元仕様となっていたため、カバーフロー全体を2.5次元で表示し、3次元と同様の奥行きを追加した距離画像とした。この2.5次元の実装のために、すべてのオブジェクトの変換行列を動的に変更する機能を搭載した。
さらに、フルバーチャル・アニメーション・インストルメントクラスターとデュアルヘッドアップディスプレイ(HuD)は、従来のフレームバッファ描画のためのIBO(Imagine-based operation)をはじめ、BLITエンジンのパフォーマンスを向上させメモリを削減するLBO(Line-based operation)、VRAMのメモリ消費量を削減するOTF(On-the-fly mode)といった、3種類の異なるレイヤータイプをベースに実装した。
HuDは従来、平面に投影する場合とフロントガラスに投影する場合の、2つの異なるモードでの設定が必要だった。ここでも前述の2.5次元表示のための変換行列と同様に、フロントガラスの曲がりをシミュレートするために、反りによる歪みは、ディスプレイの反り機能を使用して作成。このHuDのユースケースの中で「CGI Studio」は、TraveoⅡの描画エンジンによるテキストレンダリングにも対応している。
カンデラの最高経営責任者(CEO)であるラインハルト・ヒューリヒト氏は次のように述べている。「インフィニオン社のTraveoシリーズと「CGI Studio」は最高に相性が良いため、カンデラがインフィニオン社の認定ツールパートナーとなったことで、両社のお客様がローメモリフットプリントに特化した強力なHMIソリューションを作成できることを大変嬉しく思います。」
また、インフィニオン社のオートモーティブ・マイクロコントローラ・ビジネス・ユニットのシニア・ディレクターであるSven Natus氏は、「高品質かつコストパフォーマンスの良いHMIソリューションの実装は、当社にとって大きな課題でした。当社は長年にわたり、Traveoシリーズにおいてカンデラ社と提携してきました。今回のカンデラ社の認定取得により、我々のパートナーシップはさらに発展しました。お客様は、我々が提供するあらゆるシステムから最高のパフォーマンスを引き出しながら、迅速かつ容易にHMI設計を実装できます。」と、コメントしている。