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2024年5月31日【特別仕様車】

キャデラック、新型EVのオプティックを発表

坂上 賢治

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新世代EVユーザーのためのラグジュアリー系エントリーモデル

 

キャデラックは5月30日( 米デトロイト発 )、ラグジュアリーエントリーを再構築する新型2025年EVモデル「キャデラック オプティック( OPTIQ )」を発表した。このオプティックは、値頃感のあるラグジュアリーSUVとして、「リリック」「エスカレード IQ」「セレスティック」、更に来年発表予定の「ヴィスティック」を含むキャデラックのEVラインアップに加わるモデルとなる。

 

グローバル・キャデラックでバイスプレジデントを務めるジョン・ロス氏は、「キャデラックは、常にアメリカン・ラグジュアリーを定義してきましたが、この〝オプティック〟はキャデラックの大胆な革新的精神が、EVの未来でも進化し続けていることを示す一例です。

 

 

過去5年間でキャデラックは、世界規模に於いて約100万人の新規顧客を迎え入れ、北米での若年購入比率は5%上昇しました。今後10年以内に全車電動化のポートフォリオを提供することを目指す私たちにとって、オプティックはラグジュリーEVを求めるお客様をキャデラックに惹きつける重要なゲートウェイとなるでしょう」と述べた。

 

一方、GMヨーロッパのプレジデント兼マネージング・ディレクターを務めるジャクリン・マクエイド氏は、「オプティックは、今週初公開されたヨーロッパを含む10以上の地域で販売されグローバル展開される予定です。

 

この度、キャデラックの欧州に於ける電気自動車参入の一環として、オプティックのデビューをパリで迎えられることを大変嬉しく思っており、今年後半にはオプティックのラインナップを公開。販売を開始できることを楽しみにしています」と語っている。

 

スポーティで若々しい個性がオプティック独自のキャラクターを強調

 

またオプティックの車両概要についてチーフ・エンジニアのジョン・コックバーン氏は、「デュアルモーターを介した前全輪駆動により、スポーツ感覚溢れるドライビングフィールを提供するオプティックは、リリックよりもホイールベースが6インチ短く俊敏な走りが愉しめます。

 

 

この際、ほぼ瞬時に発生する354lb-ft(キャデラック推定値)のトルク値と300 PSの最高出力は、オプティック独自のBEVらしい走りを提供する背景となっています。しかもそんなパワフルさを発揮しながらも、低燃費タイヤ(LRR)の採用、85kWhのアルティウムバッテリーの搭載によって300マイル(キャデラック推定値)の航続距離を可能にしています。

 

フル充電時の航続距離は、300マイル(キャデラック推定値)を実現。DC急速充電では約10分間で79マイルの航続距離を走り切ることができます。またワンペダルドライビング7も搭載されており、あらゆる運転条件下でアクセルペダルのみで車両を減速および停止させることも可能です。

 

走行モードは、日常的な運転に使用する「ツアー」、ドライビングの強化とステアリング操作の向上を図る「スポーツ」、ホイールのスピンを防止する「スノー/アイス」、ブレーキ操作の応答性やステアリングフィールの向上などドライビング・エクスペリエンスをパーソナライズする「マイモード」など、多彩な選択肢が用意されています」と車両の使い勝手を詳しく説明した。

 

 

更にキャデラック・デザイン担当エグゼクティブ・ディレクターのブライアン・ネスビット氏は、「オプティックのエクステリアは、キャデラックブランドのラグジュアリースタンダードを生かしつつ、若々しくスポーティなイメージが付与されています。

 

そこにはスポーティで若々しい個性が提案されており、ファストバックスタイルが演出する軽快さと、キャデラック特有のクロスオーバーEVのスタイリングを見事に融合させたもので、それがオプティックのアスレチックなキャラクターを強調しています。

 

100%リサイクル素材や最新のAI機能など環境に配慮した快適装備も充実

 

なおエクステリアでは、革新的な素材に焦点を当てたことで先進的なキャデラックらしいインテリア空間を生みだしています。特にパターン入りのアクセントを加えたファブリック地は、100%リサイクル素材から作られた糸で織られており、これと組み合わせるペーパーウッド材は、チューリップ材と新聞のリサイクルペーパーを同量ずつ使用したものとなっています。

 

インストルメントパネルに搭載された33インチ対角の高度なLEDディスプレイは、9k解像度で10億色以上を投影できます。AI機能を持たせたスーパークルーズドライバーアシスタンス技術は、高精細GPSマッピング、ドライバーアテンションシステム、車線変更機能、ステアリングライトバーが標準装備(3年間のコネクテッドサービス)されています。

 

 

もちろん先進的なレーダー、カメラ、超音波センサーも搭載。日常の様々な運転シーンで、より広範囲で詳細な視野や視界が確保できるだけでなく、センシング、モニタリング機能も強化され、アダプティブ・クルーズ・コントロール、ブラインド・ゾーン・ステアリング・アシスト、エンハンスト・オート・パーキング、フォワード・コリジョン・アラートなどを含む快適装備も充実させました。

 

インフォテインメント機能では、19スピーカーのAKGオーディオシステムとDolby Atmos®を標準装備しています。従ってお気に入りの音楽やエンターテインメントは、奥行、明瞭さ、ディテールをより鮮明にする没入感のあるサウンド体験を愉しめます。

 

そんなオプティックは、ラグジュアリーとスポーツの2つの特徴的なトリムを用意し、お客様はご自身の個性や好みに合ったモデルを選択することができます。

 

推定価格はデスティネーション・チャージ込みで54,000ドルから(税金、権利証、ライセンス、ディーラー手数料を除く)で最終価格はディーラーにより決定されることになります。最後に車両生産は今秋後半に開始される予定です」と結んでいる。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。