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2024年8月21日【テクノロジー】

キャデラック、ラグジュアリーコンセプトEVを初披露

坂上 賢治

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パフォーマンスEVの未来を示す「オピュレント・ベロシティ」

 

キャデラックは8月16日(米国デトロイト発)、未来に於いて実現可能なデザインスタディーとパフォーマンスを純粋に表現したコンセプトカー「オピュレント・ベロシティ」を発表した。

 

 

先進性とプレミアムオーダー感のふたつの要素を融合させた同コンセプトカーは、長年のレースシーンでの活躍に裏打ちされたパフォーマンスにも応えられる「キャデラックVシリーズ」の近未来を体現させている。

 

もとより電気自動車(EV)と自動運転技術のパイオニアでもあるキャデラック・ブランドは、そうしたイノベーションを取り入れ、「オピュレント・ベロシティ」に「Opulent(贅沢)」と「Velocity(疾走感)」の両極を盛り込む事に成功したと謳っている。

 

そんな「オピュレント・ベロシティ」には、キャデラック製レーシングカーのVシリーズ.Rをそこはかとなく彷彿とさせる低くすっきりとしたフロントマスクを筆頭にマシーンイメージを巧み取り込み、ドラマチックかつ洗練された外観としたことで人々の注目を集める存在になったという。

 

 

ゼロエミッション・ハイパーカーの究極のフォルムを表現

 

キャデラック・アドバンスド・デザインマネージャーを務めるマガリー・ドゥベリ氏は、「オピュレント・ベロシティは、モータースポーツの力強いデザインからインスピレーションを得て、2+2のエアロダイナミック・ボディフォルムを実現しました。

 

このモデルは、あらゆる要素と感覚を包括的に考え、ハイパーカーの個性とキャデラックらしい誇り高さ表現したデザインなど、電動化されたキャデラックが、近未来のラグジュアリー・カーの分野をリードし続けて行く意志を世界に示すものです。

 

それはクルマに乗り込む前から感じ取ることができるもので、例えば乗降時には、美しく大きなバタフライドアを介して広々とした開口部を眺めることになります。

 

 

そこからは、ダイナミックなプロポーションを持つエクステリアデザインと優美なインテリアデザインの美しさを体験でき、そうした洗練されたインテリアがドライバーを迎え入れた瞬時に、全ての乗員に高級感に満ちた世界へと誘うのです。

 

広々とした車内は、リアからフロントへと滑らかに広がるドレープ状のサーフェスにより、すべての要素が宙に浮いているように見える、すっきりと途切れのない流れを実現しています。

 

現在・未来の融合がオピュレント・ベロシティの真骨頂

 

インストルメントパネルは、3D情報対応ワイドスクリーンディスプレイ、フルデジタルコックピット、レースから着想を得たY字型ステアリングホイール、ボイスコマンドユーザーエクスペリエンス、直感的なインフォテイメントシステムなど、キャデラックらしさは、次世代テクノロジーによって更に磨き上げられました。

 

 

それは車体各部のカラー、マテリアル、フィニッシュデザイン(CMF)技術の高さにも表れており、総じて丹念に作り上げられたオピュレント・ベロシティは、デザインに於いてもキャデラックの伝統と先進性を示します。

 

特にメタリックダークブルーのインテリアカラーとして我々が名付けた〝セレーネ〟は、車両の大胆な個性を強調し、それはサーキットでの卓越したパフォーマンス性能を表現しています。メタルのブラシ仕上げとグラデーションの美しい色合いをクラフトマンシップ溢れるハードトーチ塗装技術により表現されています。

 

インテリア全体に施されたモチーフは、3Dプリント技術を駆使して造り出されました。それらはVシリーズならではのスピード感を表現したもので、ティントシルバーのパールフレークに包まれたクールな色調のフラックスファイバーが、軽量パフォーマンス素材に艶やかさを付け加えています。

 

 

それは先進感溢れるデジタルファブリケーションと伝統的なクラフトマンシップの統合であり、そんな過去・現在・未来の融合がオピュレント・ベロシティへ無限の可能性を与えているのです」と語った。

 

象徴的なプロフィールとハイパーカーならではエクステリア

 

またグローバル・キャデラックでデザイン担当のエグゼクティブ・ディレクターを務めるブライアン・ネスビット氏は、「オピュレント・ベロシティは、これまでの経験に基づいたデザイン研究の集大成です。

 

このモデルは、キャデラックが主導するハンズフリー・ドライビング機能、電動化、卓越したパフォーマンスを組み合わせたラグジュアリー・パフォーマンスの未来を描いています。

 

 

オピュレント・ベロシティは、キャデラックの最高峰モデルであるVシリーズや将来の電動化のデザインによって特徴づけられる、テクノロジー、ラグジュアリー、そしてアート感覚溢れる高揚感も包括させたモデルとして提案するものです。

 

ちなみに車名にあるオピュレントとは、〝贅沢な時間〟を体験できることを意味しており、それは完全自律走行運転が可能にする乗員の自由さを表したものです。

 

レベル4の自律走行時では、フルワイドスクリーンディスプレイと拡張現実ヘッドアップディスプレイ(AR HUD)を使うことができ、そうした安らぎと休息を促す多感覚モードを通じて、ハンズフリー状態の乗員に特別な没入型体験を提供します。

 

 

我々はオピュレント・ベロシティの開発にあたり、科学的なベータ波の研究を参考にして、特定の音や光が脳をどのように人を活性化させ、また安らぎをもたらすのかを探求しました。

 

そこで得られた知見を車内全体に反映させ、このクルマに乗る乗員の各々がパーソナライズされたハンズフリーのオアシスに没入できるよう、厳選されたアート体験、エンターテインメント体験、アンビエント・ライト・セラピー体験、日常へ活力溢れる精神性を取り戻すウェルネス・リカバリー体験などを取り入れています。

 

贅沢感と疾走感、2つの異なるユーザー体験を融合させる

 

また併せてベロシティでの乗車体験は、ハイパーカーならではの適切なスリル感をドライバーへ提供することもできます。

 

例えば車内のマルチファンクションコントローラーに触れると同車は、自律走行モードからベロシティ体験へと素早く切り替わります。このモードが起動すると、ステアリングホイールとペダルがせり上がって現れ、ドライバーはハンドルを握るよう促されます。

 

このベロシティ体験とは、キャデラックがサーキット上での数々のレースシーンで培った知見からクルマを操るリアルな愉しさを提供します。

 

 

先の通り実際のサーキット体験を取り入れたベロシティ・モードでは、車両のユーザーガイドとしてHUDスクリーンに表示される「ゴーストカー」機能がサーキットコースに見立てたドライビングシーンを再現し、ドライバーがラップタイムを向上させたり、指定された様々なコースで仲間と競い合ったりすることができるようになります。

 

更にベロシティ・モードでは、実際のリアルな道路上にオーバーレイ機能を重ね合わせ、そこに路面状況のリアルタイム情報、アクティブ・エアロの状況や、サスペンションの減衰状態を視覚的に示し、それらを前提に車体各部をチューニングして、ドライビング感覚をより爽快感溢れるもとする機能も搭載しています。

 

オピュレント・ベロシティは、キャデラックが誇る華麗さの進化を示すと同時に、ゼロエミッション車のパフォーマンスと、未来に向けたキャデラックのラグジュアリー領域に於けるリーダーシップを体験しているのです」と畳み掛けた。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。