ヤマハ発動機は、東南アジア配車サービス最大手のGrab Holdingsに対して、1.5億米ドル(約170億円)を出資し、インドネシアを中心とした東南アジア地域における二輪配車事業に関する戦略的業務提携を行った。
Grabは、東南アジアで最も多く利用されているモバイル配車サービスのひとつ。現在、Grabアプリは、1億2,500万台以上の携帯端末にダウンロードされ、ユーザー数は800万人以上。サービスは2012年の創業以来、 25億回以上利用され、展開する地域は8ヵ国、235都市。Grabでは、配車サービスのみならず、フードデリバリーや宅配など、同地域で幅広いサービスを提供している。
提携では、ソリューションと変革を通じた次世代のモビリティサービスの実現を念頭に、主に以下2点についての取り組みを行う。
①ヤマハ発動機が持つ二輪車の安全に関する技術やノウハウを活用することで、二輪配車サービス需要に対して安全・安心を見える化し、サービス利用者の満足度向上を目指す。
②二輪配車サービス従事者(二輪タクシードライバー)・検討者に対して、二輪車購入のハードルを下げるスキームを構築する。
今回の提携に関して、ヤマハ発動機、Grabは、それぞれ以下のようにコメントしている。
■ヤマハ発動機 : 執行役員 MC事業本部長 木下拓也 氏
「このたびのGrabとの戦略的パートナーシップによる協業は、ユーザー参加型の新たな交通システムにおける、ユーザーとドライバーの安全と安心の向上を図るものです。弊社のテクノロジーにより、今後のモビリティシステムにおける二輪車の価値をさらに向上させるとともに、新たなモビリティソリューションの創出を期待します。」
■Grab : President of Grab Ming Maa 氏
「私たちはインドネシアにおいて業界をリードする安全モビリティサービスを開発・提供するためにヤマハ発動機とパートナーシップを組んだことに興奮しています。二輪タクシーの運転手や乗客の安全は、私たちにとって非常に重要です。東南アジアにおいて最も安全で、かつ信頼性の高い配車サービスを構築する為、ソリューションと変革を通じた次世代のモビリティサービス提供に向けてパートナーと協力し続けます。」
ヤマハ発動機は、今回の提携で、Grabが持つ東南アジアにおける顧客基盤および二輪配車事業に関する知見を活用し、今後の製品開発に活かしていきたいとしている。