東京海上日動火災保険(以下、東京海上日動)とALBERT(アルベルト)は、10月1日、損害保険領域におけるデータ分析及びAI(人工知能)を活用した業務効率化を目的として、資本業務提携することに合意。
これにより、東京海上日動は、2018年10月1日付で、ウィズ・アジア・エボリューションファンド投資事業有限責任組合が保有するALBERT株式の一部 4万6800 株(発行済み株式総数の1.66%) を市場外の相対取引により譲り受ける旨に合意したと発表した。
左:東京海上日動 岡田誠 専務取締役 右:ALBERT 松本壮志 代表取締役社長
資本業務提携の背景には、東京海上日動が3か年の新中期経営計画「To Be a Good Company 2020」を2018年度からスタートさせ、保険商品の種目ポートフォリオの変革に取り組んでいることが挙げられる。
これは、社会構造の変化等により個人や企業の活動に生じる新たなリスクへの対応等の価値提供を行うことが目的だ。
加えて、同社では、それらの達成のために、最新のテクノロジーの活用による、顧客への新たな価値の提供や業務プロセスの効率化を通じた生産性の向上にも取り組んでいる。
一方のALBERTは、日本屈指のデータサイエンスカンパニーとして知られる企業。2005年に創業した同社では、「ビッグデータ分析」や「分析コンサルティング」等のデータソリューション事業を主軸とし、様々な業種の企業にサービスを提供。
自動車関連では、2018年5月にトヨタ自動車と自動運転技術開発におけるデータ分析等においての業務提携も行っていることで知られている。
今回の提携に関し、東京海上日動のデジタル戦略を統括する岡田誠 専務取締役は以下のようにコメントしている。
「東京海上日動は、『お客様や社会の課題を解決する』という目的に向かってテクノロジーの活用を進めています。
今回の提携により、新たな保険商品・サービスの開発を加速させるとともに、業務プロセスの高度化や効率化を図ることで、お客様への新たな価値提供に取組んでまいります」。
また、ALBERTの松本壮志 代表取締役社長は以下のように語る。
「データの重要性、活用が加速し大幅なデジタル化が進む損害保険業界において、高度かつ効率的なサービス組成・提供を実現するには、AI・機械学習技術を中心とする先端技術活用が必要不可欠です。
今後も、分析力・開発力・実装力及び先端技術アセットの強化等を通じ『社会に求められる安全な技術革 新』を支援してまいります」。
データ分析やAI活用による損害保険の新たな商品やサービスとは、どのようなものになるのか。今後も注目したい。