仏高級車メーカーのブガッティは、3月7日から3月17日にスイスのジュネーブで開催中の「第89回ジュネーブモーターショー」にて、同社創立110年記念に向けて製作し、価格が世界最高額の110万ユーロという「LA VOITURE NOIRE(ラ・ヴォワチュール・ノワール)」を公開した。
全てハンドメイドで製作、世界に1台だけ作られたこのクルマは、同社がかつて製造した伝説のクルマ「タイプ57 SCアトランティック(写真右)」のオマージュとして作られたものだ。
創業者エットーレ・ブガッティ氏の息子、ジャン・ブガッティ氏が作った「タイプ57 SCアトランティック」は、世界で4台のみしか製造されなかった幻の車。当時、ジャン・ブガッティ氏が自分のアトランティックを、フランス語で「黒い車」を意味するラ・ヴォワチュール・ノワールと呼んでいたことから、この車にも同じネーミングが施された。
2ドアクーペのフルカーボンボディは、「タイプ57 SCアトランティック」のフォルムに、現代的なデザインをクロスオーバーさせたもの。
搭載するエンジンは、排気量8リッターの16気筒で、最高出力1103kW(1500ps)、最大トルク1600Nm(163.15kgm)。同社によると、このスペックは「世界最高レベル」だという。
このモデルが披露されたジュネーブモーターショー初日のプレスディでは、同社のステファン・ウインクルマン社長が登壇。このクルマを「ブガッティの歴史とスピードへの追求、テクノロジーや高級感、そして美学を新たな時代に導く」モデルだと紹介。同社110年記念にふさわしいクルマだとしている。
価格は、前述の通り、110万ユーロ(約13億7000万円)で、同社によるとすでに売約済みとのことだ。