世界的な自動車部品サプライヤーのボッシュは、7月27日、フィンランドの気象予測企業フォレカ(Foreca)と協力し、自動運転車向けの路面状況予測サービスの提供を2020年から世界的に展開すると発表した。
路面状況は、例えばレーシングドライバーがタイヤのグリップ力等を予測するために
「ズボンのお尻部分(seat-of-the-pants)の感覚」
と呼ぶ程、自動車を安全に運転するために必要な情報。
このサービスは、現在、ドライバーが感覚的に取得しているそれら情報を、自動運転車にも把握させるためのものだ。
ボッシュ取締役会メンバーのディルク・ホーアイゼル氏によると、このサービスは概ね以下のようなものだという。
「濡れた路面、雪、氷。こうした危機的な状況になる前に、当社の路面状況予測サービスは注意を促します。ここでは、当社のパートナー、フォレカが提供する気象データが役立ちます。これにより、自動運転車両は、どこで、どのように運転すべきかを正確に把握できるようになります」
同社によると、このシステムにより、人の操作が介在しない高度に自動化された自動運転状態において、自動運転車両は、路面状況悪化の兆候が見られた段階でドライバーに運転を引き継ぐことなく、十分に時間的な余裕を持って走行スタイルを変更。
例えば、車のルート上で雨が降っている場合は、ハイドロプレーニング現象(水膜現象)が起こる危険のない、いつでも安全に停止できるレベルまで、あらかじめ速度を調整するといった制御が可能になるという。