サーキット走行も可能な〝M〟を冠したカブリオレ・モデル
ビー・エム・ダブリュー・ジャパン(BMW Japan/代表取締役社長:クリスチャン・ヴィードマン)は9月10日、クローズドサーキット上の運動性能に主眼を置いたMハイ・パフォーマンス・モデルの「BMW M4」シリーズに、オープン・エアボディの「BMW M4カブリオレ・コンペティション・エム・エックスドライブ(BMW M4 Cabriolet Competition M xDrive)」を追加(日本導入は右ハンドル仕様)。この発表同日より、全国の正規ディーラー網で販売を開始した。但し車両の引き渡し自体は今年9月末以降になる予定。
今日、BMWグループ傘下で「M」が表すBMW M GmbH(ゲー・エム・ベー・ハー/有限責任会社)は、BMWブランドの製品をベースに、高性能車の研究開発を担うグループ会社という建て付けであり、元々は〝BMWモータースポーツ社〟として競技専用車の開発・生産を行っていた部門である。そうした経緯から、BMWの歴史上で〝M〟は、同社のスポーツイメージを裏付ける存在となっている。
現在「BMW M」は、限定生産の高性能モデルである事を表す〝Mモデル〟の開発(生産自体はBMW本社が担当)を担う他、特別受注モデルの「BMWインディビデュアル車」の生産を手掛ける他、BMWの顧客向けトレーニングスクールの運用なども行っている。
そんなBMW Mは、自らの「M」のバッチを冠する製品に関して2つのカテゴリーを用意している。まず1つは、本格的な競技車両に匹敵する〝Mハイ・パフォーマンス・モデル〟。さらにもう1つは、競技車両の技術を一般市販車に極力盛り込んだ〝Mパフォーマンス・モデル〟で、今発表車両は前者の位置付けとなる。そのBMW M4カブリオレ・コンペティション・エム・エックスドライブのメーカー希望小売価格(消費税込み)は1千433万円となっている。
さてここで、実車の車体回りを見てみるとエクステリアデザインは、フロントに最新のBMWのトレンドとなりつつある縦型の大型キドニー・グリルを採用。フロントフェンダー側面には、Mモデル専用のサイド・ギルを配して、車体後端にはリア・スポイラーを標準装備。さらにリア下部には、空力特性の高さをイメージさせるディフューザーデザインを取り入れた。またトレッドについては、オリジナルよりもワイド化させている。
インテリアでは、Mシリーズ専用のスポーツ・シートを筆頭に、各部に専用デザインを配する事でステアリングを握るドライバーの高揚感が高まる演出を施した。なお、より本格的なサーキット走行をイメージさせるMカーボン・バケット・シートはオプション設定となっている。
パワーユニットは、専用の鍛造ピストンとブースト圧を高めたツイン・ターボ・チャージャーを介して最高出力510ps(375kW)/6250rpm、最大トルク650Nm/2750-5500rpmの直列6気筒のツインパワー・ターボ・ガソリン・エンジンを搭載。トランスミッションは、ドライブロジック付きの8速オートマチック・トランスミッションを組み込んだ。カタログデータ上での0-100km/h加速は3.7秒(ヨーロッパ仕様値)と記されている。
その動力を受け止めるボディ骨格や、サスペンションシステムにはアルミニウム素材を多用。ブレーキユニットには、大径ローターに6ポッドのブレーキキャリパーを組み合わせた。さらに耐摩耗・耐熱性能が高いカーボン・セラミック・ブレーキもオプションで設定されている。
なお公道上のドライビングでは、周囲の道路交通や車両の状況に応じて直ちにハンドルを操作できる状態であるのなら、ステアリングから手を離す事が可能なハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能(一定の動作条件がある)や、車両が直前に前進したルート最大50mまでを記憶し、その同じルートをバックで正確に戻る事が出来るリバース・アシスト機能。AI技術により音声会話だけで車両の操作・情報へのアクセスが可能なBMWインテリジェント・パーソナル・アシスタントなどの快適装備も採用されている。その他の主な車両諸元は以下の通り。
BMW M4 Cabriolet Competition M xDrive
全長4805mm、全幅1885mm、全高1395mm、ホイールベース2855mm、車両重量1930kg、車両総重量2150kg、排気量2992cc、直列6気筒ガソリン・エンジン、最高出力510ps(375kW)/6250rpm、最大トルク650Nm/2750rpm-5500rpm、WLTC燃料消費率9.6Km/L。