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2025年3月5日【新型車】

BMW、新型「2シリーズ グラン クーペ」を刷新・発売

坂上 賢治

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ビー・エム・ダブリュー・ジャパン(BMW Japan)は3月5日、プレミアム・スモール・コンパクト・セグメントの4ドア・クーペ「BMW 2シリーズ グラン クーペ」の新型モデル(全面改良)を、全国のBMW正規ディーラーから同日より販売を開始する。納車は3月以降を予定している。販売価格は5,280,000円〜7,340,000円。

 

 

BMW2シリーズ グラン クーペは、2019年に同セグメントに於けるBMW初の4ドア・クーペとして初代モデルが誕生。手頃なサイズ感でありながら優雅かつ実用性を併せ持つ4ドアモデルとして、日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会主催の2020-2021日本カー・オブ・ザ・イヤーで10ベスト・カーに。日本自動車研究者ジャーナリスト会議主催の2021年次RJCカーオブザイヤーでインポート・カー・オブ・ザ・イヤーを獲得した。

 

 

今回、第2世代に進化した同車は、キドニー・グリルに斜めデザインを取り入れると共に立体的なプレスラインを採用したことでスポーティな印象が高まった。また48Vマイルド・ハイブリッド・システム搭載モデルを投入。「駆けぬける歓び」をより高めたモデルとなっている。

 

パワーユニットとトランスミッションの組み合わせは3タイプ

 

個別グレード毎の違いで、まずBMW 220グラン クーペ(ニーニーマル)は最高出力115kW/5,000rpm、最大トルク240Nm/1,500-4,400rpmを発揮する高効率な1.5L直列3気筒BMWツインパワー・ターボ・ガソリン・エンジンを搭載。これに7速ダブル・クラッチ・トランスミッションを組み合わせた。更に48Vマイルド・ハイブリッド・システムの追加でシステム・トータル最高出力125kW、システム・トータル最大トルク280Nmを実現。加えてアダプティブMサスペンションが設定されている。

 

 

BMW 220dグラン クーペ(ニーニーマルディー)は、最高出力110kW/4,000rpm、最大トルク360Nm/1,500-2,500rpmを発揮する高効率な2L直列4気筒BMWツインパワー・ターボ・クリーン・ディーゼル・エンジンを搭載。7速ダブル・クラッチ・トランスミッション、48Vマイルド・ハイブリッド・システムを組み合わせることで、システム・トータル最高出力120kW、システム・トータル最大トルク400Nmを実現。アダプティブMサスペンションの搭載も用意されている。

 

BMW M235 xDriveグラン クーペはBMW M社が開発するMパフォーマンス・モデルで、最高出力221kW/5,750rpm、最大トルク400Nm/2,000-4,500rpmを発揮する2.0L直列4気筒BMWツインパワー・ターボ・ガソリン・エンジンを搭載している。

 

これにパドル・シフトを追加した「Mスポーツ・ブースト機能付き7速ダブル・クラッチ・トランスミッション」、「4輪駆動システムxDrive」、フロント・アクスルに組み込まれた「機械式リミテッド・スリップ・デファレンシャル」、「アダプティブMサスペンション」、「Mスポーツ・ブレーキ(レッド・ハイグロス・キャリパー)」を組み合わせることで、Mパフォーマンス・モデルらしいパフォーマンスを発揮する。

 

 

加えて、より上級モデルにあたるBMW M3およびBMW M4テクノロジーが息づく「Mコンパウンド・ブレーキ(グレー・ハイグロス・キャリパー)」を、オプション装備することも可能だ。

 

BMWの最新デザイントレンドを組み入れたエクステリアとインテリア

 

フロント・デザインは、BMW特有のキドニー・グリルに斬新な斜めのデザインを取り入れた上で、環状のシグネチャーを2回繰り返すツイン・サーキュラーを進化させた。リヤ・デザインではワイドで力強さを強調する水平方向のキャラクター・ラインに、立体的なLEDリア・コンビネーション・ライト。これに精悍さが増したリヤ・ディフューザーを組み合わせている。

 

インテリアは、メーターパネルとコントロール・ディスプレイを一体化させ大型化させて存在感強めつつ、運転席側に傾けることで視認性と操作性を高めたBMWカーブド・ディスプレイを採用した。更にシフト・レバーを廃止し、センター・アームレストに操作系を全て納めることでモダンな印象のコクピットデザインとした。

 

またセンター・コンソールにQi対応機器(スマートフォン等)を置く事で利便性を高めた。リアは大人3名が座れる寛ぎ空間を確保すると共に、40:20:40分割可倒シートの採用によりラゲッジ・スペースの有効活用する配慮は抜かりなく盛り込まれている。

 

 

ディスプレイは、メニュー構造が大幅に改良し、サブ・メニューに切り替えることなく機能に直接アクセスできるよう配慮。加えてBMWインテリジェント・パーソナル・アシスタントにより、タッチ・ディスプレイと言語だけで必要な操作が完了できるように設計された。また、好みのアプリをダウンロードすることが可能となっており、それらもスマートフォン同様にBMWカーブド・ディスプレイ上で操作できるようにした。

 

国内認可取得モデルとして初導入したハンズ・オフ渋滞運転支援機能を搭載

 

なお今モデルからは、BMW社が国内認可取得モデルとして初導入となる多様なハンズ・オフ機能が搭載されている。なかでも「ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能」は、高速道路での渋滞時にドライバーの運転負荷を軽減させて安全に寄与する運転支援システムだ。

 

 

この機能は、高速自動車国道法に定める高速自動車国道、及び指定都市高速道路に分類される道路に於いて、ドライバーが絶えず前方に注意し周囲の道路交通や車両の状況に応じて直ちにハンドル操作に戻れる状態下にある一定条件に限り(Society of Automotive Engineers Internationalのレベル2段階)、ステアリングから手を離しての走行が可能となる。なお当該車両は、上記を実現させるべく高性能カメラ&レーダーおよび、高性能プロセッサーによる解析能力を高めた最先端の先進安全機能ドライビング・アシストを標準装備した。

 

加えてアクティブ・クルーズ・コントロール(ストップ&ゴー機能付)、レーン・チェンジ・ウォーニング(車線変更警告システム)およびレーン・ディパーチャー・ウォーニング(車線逸脱警告システム)、衝突回避・被害軽減ブレーキ(事故回避ステアリング付)、クロス・トラフィック・ウォーニング、ペダル踏み間違い急発進抑制機能を標準搭載した。

 

 

なおパーキング・アシスタントには、車両が時速35km以下で直前に前進したルートを最大50mまでを記憶し、その同じルートをバックで正確に戻ることが可能となるリバース・アシスト機能を採用。日本に多数点在する細い道での対向車とのすれ違いに困った際など、安全かつ正確に、元のルートに復帰することが可能だ。

 

総合テレマティクス・サービスとしてBMWコネクテッド・ドライブ搭載

 

AI技術を活用することで、音声会話だけで車両の操作・情報へのアクセスが可能となるBMW Intelligent Personal Assistant(インテリジェント・パーソナル・アシスタント)を搭載した。これにより自然な会話に近い言葉で、ドライバーの指示や質問を理解し、適切な機能やサービスを起動できる上に、使用頻度に応じてドライバーの好みを学習。長く乗り続けるほど真のパートナーとしての役割を担えるようになった。

 

 

より具体的には、車両に話し掛けることで車両の操作、目的地の設定等が可能となるだけでなく、Apple CarPlayへの対応や、BMWコネクテッド・ドライブ標準装備により、スマートフォンで事前に検索した目的地を車両に伝えられるようになった。Amazonが提供するクラウドベースの音声サービスAlexaにも対応。話しかけるだけで天気予報やニュースの確認、音楽ストリーミングの再生、Amazon.co.jpでのショッピング、対応するスマートホームデバイスの操作などが可能になる。

 

また3年間の主要メインテナンスが無償となるBMWサービス・インクルーシブ・プラスが無償提供される。タイヤ/キーの破損や紛失の際の費用サポート等が含まれる「BMWサービス・インクルーシブ・プラス」も全車付帯。なお、この「BMWサービス・インクルーシブ・プラス」は、2016年よりBMW全モデルに標準装備された新しいメインテナンス・パッケージでありユーザーに対して、より安心なドライブ環境が実現している。

 

 

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主な車両諸元は以下の通り

BMW 220 Gran Coupé M Sport
全長4,550mm、全幅1,800mm、全高1,435mm、ホイールベース2,670mm、車両重量1,490kg、車両総重量1,765kg、排気量1,498cc、直列3気筒ガソリン・エンジン、最高出力115kW/5,000rpm、最大トルク240Nm/1,500-4,400rpm、システム・トータル最高出力125kW、システム・トータル最大トルク280Nm*、WLTCモード燃料消費率17.5km/L。

 

BMW 220d Gran Coupé M Sport
全長4,550mm、全幅1,800mm、全高1,435mm、ホイールベース2,670mm、車両重量1,560kg、車両総重量1,835kg、排気量1,995cc、直列4気筒ディーゼル・エンジン、最高出力110kW/4,000 rpm、最大トルク360Nm/1,500-2,500rpm、システム・トータル最高出力120kW、システム・トータル最大トルク400Nm、WLTCモード燃料消費率21.1km/L。

 

BMW M235 xDrive Gran Coupé
全長4,550mm、全幅1,800mm、全高1,435mm、ホイールベース2,670mm、車両重量1,590kg、車両総重量1,865kg、排気量1,998cc、直列4気筒ガソリン・エンジン、最高出力221kW/5,750rpm、最大トルク400Nm/2,000-4,500rpm、WLTCモード燃料消費率12.6km/L。

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BMW 2シリーズグランクーペのメーカー希望小売価格(消費税込み)

高効率ガソリン・エンジンおよび48Vマイルド・ハイブリッド・システム搭載モデル
 モデル:メーカー希望小売価格
 BMW 220 Gran Coupé M Sport:5,280,000円

 

クリーン・ディーゼル・エンジンおよび48Vマイルド・ハイブリッド・システム搭載モデル
 モデル:メーカー希望小売価格
 BMW 220d Gran Coupé M Sport:5,480,000円

 

▷高効率ガソリン・エンジン搭載Mパフォーマンス・モデル
 モデル:メーカー希望小売価格
 BMW M235 xDrive Gran Coupé:7,340,000円
※上記のメーカー希望小売価格は、付属品価格、税金(消費税を除く)、保険料、登録に伴う諸費用を含まない車両本体価格。※右ハンドル、7速DCT仕様。

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。