ビー・エム・ダブリュー日本は、航続距離約400kmを実現した電気自動車「BMW i3(アイ・スリー)」の新型モデルを、全国のBMW i 販売店にて、1月15日より販売を開始すると発表した。
先代のBMW i3は、「大都市における持続可能なモビリティ」を提供するBMWのサブ・ブランド「BMW i」の電気自動車として、2014年4月に発売された。
「設計から生産、販売に至るまで持続可能なモビリティを実現する」というコンセプトのもと、量産車として初めてCFRP(カーボン・ファイバー強化樹脂)を基本骨格に採用し、軽量化と同時に、大容量バッテリーを搭載することで航続距離390kmを実現した都市型モビリティモデル。
今回発表の新型BMW i3は、フロントに横長のLEDターン・インジケーターと共に、新しいフロント・バンパーを搭載し、LEDヘッドライトを全モデルに標準装備している。
また、リヤも同様に、ワイドな印象を与える新デザインのバンパーを採用し、存在感のある直線に引かれたマット・クロームを加飾。
サイドは、フロントのピラーからルーフに沿って滑らかな曲線を描くようにシルバーの加飾が与えられた。
[新型BMW i3 の特徴]
●大容量バッテリーを搭載し、390kmの航続距離を実現
新型BMW i3は、2016年から採用している33kWhの大容量リチウムイオン・バッテリーを搭載し、一回の充電走行距離 390km(*1)を実現。
電気モーターによる後輪駆動式で、最高出力125kW/170ps、最大トルク250Nmを実現すると共に、時速100kmまで7.3秒(*2)で加速する。
また、647ccの発電用エンジンを搭載したレンジ・エクステンダー装備車は、走行中にエンジンが電力を発電し、航続距離が更に121km*延長され、合計で511km(*1)の走行が可能になるという。
さらに、新車登録から8年/走行距離100,000km以内で必要に応じたバッテリー修理を無償で提供するほか、3年間は主要項目のメインテナンスなどを無償提供する「BMW iサービス・インクルーシブ」を全車標準装備、安心して長期保有可能なサービスを提供している。
*1: JC08テスト・モードにおける試験値を元に算出。
*2: ヨーロッパ仕様車値(レンジ・エクステンダー装備車は8.1秒)。
●公共充電サービスが利用できる「ChargeNow」サービスを提供
新型BMW i3を購入すると、従来モデルに引き続き、公共充電サービスを12ヶ月間無料で利用可能な「ChargeNow(チャージナウ)」が提供される。
日本仕様の新型BMW i3はCHAdeMO(チャデモ)方式の急速充電に対応しており、約45分で80%まで充電可能。普通充電の場合は、約12~13時間で満充電となる。
●3つのインテリア・デザイン・パッケージを設定
新型BMW i3は、インテリア・デザイン・パッケージとして、「ATELIER(アトリエ)」、「LODGE(ロッジ)」、「SUITE(スイート)」の3つのモデルをラインアップ。
「ATELIER」: ダークな色合いが印象的なアラガツ・グレーのシートと、シート横側とステアリング・ホイール上部に施されたブルーのアクセントによるコントラストにより、洗練された印象を演出。また、天然素材のケナフ麻の繊維を採用したインスツルメント・パネルのベース・サポートとドア部分のパネルにより、ナチュラルな印象を加えた。
「LODGE」: ソラリック・ブラウンのウール地にナチュラル・レザーを組み合わせたシートを新たに採用。インテリア・トリムに使用されるユーカリ材は、環境に配慮し、認証を受けた森林資源から調達され、漂白、染色、塗装などの加工を施さず、自然のままの質感を保った。これにより、モダンでナチュラルな印象を与えつつ、洗練された室内空間を演出する。
「SUITE」: なめし加工を施した暖かみのあるダルベルギア・ブラウンのレザーを、シートとダッシュボードに使用。落ち着きのある色調のオーク材を使い、美しい曲線に仕上げられたインテリア・トリムとの組み合わせにより、上質かつ高級感あふれる室内空間に。レザーには、オリーブの葉の抽出液をなめし工程で用いることで、レザー本来の柔らかさを損なわず、しなやかな手触りと風合いを実現した。
●充実したドライビング・アシスト機能を搭載
新型BMW i3には、ドライバーの安全運転をサポートする「ドライビング・アシスト機能」と「パーキング・サポート・パッケージ」をLODGEおよびSUITEに標準装備、ATELIERではオプション装備として採用している。
・ドライビング・アシスト・プラス
・ACC/アクティブ・クルーズ・コントロール(ストップ&ゴー機能)
・前車接近警告機能
・衝突回避・被害軽減ブレーキ(歩行者検知機能付き)
・パーキング・サポート・パッケージ
・PDC/パーク・ディスタンス・コントロール(フロント&リヤ、ビジュアル表示機能付)
・リア・ビュー・カメラ(予想進路表示機能付)
・パーキング・アシスト
●ドライバーをサポートするBMW iの繋がる機能
新型BMW i3は、ドライバー、クルマ、それらを取り巻く周辺環境をITネットワークでつなぐ総合テレマティクス・サービス「BMWコネクテッド・ドライブ」を搭載、以下の3つの機能で、ドライバーをサポートする。
・「BMW SOSコール」:万が一の事故発生時に、車両の通信機能を介してコールセンターに接続し、救急や消防といった早急な手配が可能。
・「BMWテレサービス」:車両のメインテナンスやバッテリー電圧の低下といった情報を、自動的にBMW正規ディーラーに通知。
・「BMW iリモート・サービス」:スマートフォン専用のBMW iリモートAppを使用することで、遠隔での車両操作や、充電状況などの車両データ確認が可能に。走行開始予定時刻にあわせて充電をスタートさせたり、乗車前にエア・コンディショナーのスイッチを入れておくことが可能。さらに、現在地周辺で利用可能な充電ステーションを表示する機能が搭載されている。
BMW i は、持続可能性(サステイナビリティ)に関する目標を開発段階で設定、コスト、重量、および品質に関する目標と同様に扱うという、新たな取り組みを導入したブランドで、BMWが提供する「プレミアム」とBMW iの「持続可能性」という2つの要素を両立させる新しいプレミアム・カーとして、「次世代プレミアム」というコンセプトを掲げている。
素材の選択、サプライ・チェーン、車両リサイクル等のすべての面において持続可能であることを目指し、自動車業界の前例にとらわれることなく、挑戦を続けていると云う。
BMWのライプチィヒ工場では、徹底した資源消費量削減に取り組み、従来までにエネルギーや水などで各々50%~70%削減。また、工場の敷地内に風車を設置し、生産用の全電力を再生可能エネルギーで賄っているとのこと。
また、炭素繊維を生産している米国ワシントン州のモーゼスレイク工場も、全電力を地元の再生可能な水力発電で賄い、CO2排出ゼロを実現していると云う。
製品面においては、BMW i3とBMW i8のインテリアで使用されるレザーのなめし行程で、牛皮のなめし剤として従来廃棄されていたオリーブの葉の油出物を有効活用。
ダッシュボードやドア・パネルの一部に天然素材のケナフ麻の繊維や、天然素材のユーカリ・ウッドを採用している。
BMWは、BMW i の車両について、開発と生産から資料とリサイクルまで、ライフサイクル全体において持続可能な製品となっていると、コメントしている。
[主な車両諸元]
■ BMW i3
全長4,020mm、全幅1,775mm、全高1,550mm、ホイールベース2,570mm、車両重量1,300kg、車両総重量1,520kg、一充電走行距離(JC08モード)390km、最高出力170PS(125kW)/5,200rpm、最大トルク250Nm/100-4,800rpm
■ BMW i3レンジ・エクステンダー装備車
全長4,020mm、全幅1,775mm、全高1,550mm、ホイールベース2,570mm、車両重量1,420kg、車両総重量1,640kg、直列2気筒DOHC(発電用エンジン)、ハイブリッド燃料消費率(JC08モード)24.7km/L、最高出力170PS(125kW)/5,200rpm、最大トルク250Nm/100-4,800rpm
[メーカー希望小売価格](消費税込み)
<モデル、希望小売価格>
– BMW i3 Atelier、¥ 5,380,000
– BMW i3 Lodge、¥ 5,800,000
– BMW i3 Suite、¥ 5,950,000
– BMW i3 Atelierレンジ・エクステンダー装備車、¥ 5,870,000
– BMW i3 Lodgeレンジ・エクステンダー装備車、¥ 6,290,000
– BMW i3 Suiteレンジ・エクステンダー装備車、¥ 6,440,000
※ 上記メーカー希望小売価格は、付属品価格、税金(消費税を除く)、保険料、登録に伴う諸費用を含まない車両本体価格。また「自動車リサイクル法」に基づく、リサイクル料金が別途必要となる
※ 右ハンドル仕様