ビー・エム・ダブリュー(代表取締役社長:クリスチャン・ヴィードマン)は、自社最高峰のラグジュアリー・セダン「BMW 7シリーズ」のブランニューモデルを、全国のBMW正規ディーラーを介して7月1日より発売する。( 坂上 賢治 )
同社にて1977年に初登場した7シリーズは、常に自社の最高品質・最新技術を取り入れた旗艦モデルとしての役割を演じてきた。今回、第7世代となる最新モデルは、サステイナビリティ(持続可能性)とデジタルを二本柱に、新たな時代に相応しいラグジュアリー・セダンとして仕立て上げたと言う。
ちなみに同社が7シリーズで定義する〝ラグジュアリー〟とは「人」を全ての中心に据え、人の意識や欲求、感情を重視し、存在感や優美さを醸成するだけに留まらず、コネクティビティやサスティナビリティなどの先進性に於いても最高峰を目指し、実現させるのだとしている。
なお新型7シリーズは、BMWに於ける半世紀の歴史上で初めて電気のみで走行する電気自動車BMW i7(アイセブン)をラインアップに加えた。このi7は、満充電で約600km(ヨーロッパ仕様値)の距離を走破する。
また新たな新7シリーズは、デザイン面でBMW伝統の大型キドニー・グリルと、BMWデザインの伝統意匠である環状シグネチャーを2回繰り返す「ツイン・サーキュラー」を進化させたスワロフスキー製のクリスタル・ヘッドライトが搭載されている。
夜間走行では、このキドニー・グリルの縁を点灯させる事により、自社最高峰のラグジュアリー・セダンである事を強く主張する。
車体側面は、7シリーズらしい典型的なロング・ホィールベース仕様として優雅で伸びやかなデザインと、後席の高い居住性能を更に高めた。
なおドア・ハンドルはドア・パネルに内蔵するタイプとして空気抵抗の低減に加え、新時代のラグジュアリーセダンに相応しい流麗さを醸し出している。続いて車体のリヤ側に視線を移すと、BMW伝統の水平基調にL字型リヤ・コンビネーション・ライトを組み合わせている。
またガソリン&ディーゼル・エンジン搭載モデルでは、テール・パイプをリヤ・バンパー内に収める事で、内燃エンジン車の主張を潜める処理が行われている。今や内燃エンジンの多気筒化やユニットの規模を誇る時代は終わりを告げたという事なのだろう。
インテリア面では、12.3インチのメーターパネルと14.9インチのコントロール・ディスプレイを湾曲・一体化させたカーブド・ディスプレイが独自の存在感を放つ。加えてスイッチ数は最小限のクリスタルデザインとした。
室内は先代モデルに比べ、約40%ガラス面積を増やしているため、より多くの太陽光を取り込める。自動で開閉することが可能なドア内側には、スマートフォン操作を連想させるタッチパネル操作が多用されている。
加えてオプション設定の「エグゼクティブ・ラウンド・シート」を追加した場合、下肢部クッションが座面と一体となったリラックススタイルが実現する。
リア・シートのリクライニング角度は42度、室内のシアター・スクリーンと相まって、現段階の自動車室内で最もラグジュアリー感の高い体験が実現すると同社は謳っている。
このシアター・スクリーンは、Amazon Fire TVを搭載しており8K対応の31インチのタッチ・スクリーン・ディスプレイと、Bowers&Wilkinsのサラウンド・サウンド・システム、オプションでシート内のサブ・ウーファーも組み込める。
BEVのi7 xDrive60(エックスドライブロクマル)は、最高出力258PS(190kW/ヨーロッパ仕様値)を発揮する1つの電気モーターが前輪に、最高出力313PS(230kW/ヨーロッパ仕様値)を発揮するもう1つの電気モーターを後輪に備えた4輪駆動モデルとなっている。
この結果、システム・トータルでの最高出力は544PS(400kW/ヨーロッパ仕様値)、最大トルクは745Nmであり、0-100km/hを4.7秒で駆け抜ける。
直接的な動力源となるリチウム・イオン電池はボディ床下に収納されており総エネルギー量は101.7kWh、一充電での走行可能距離は先の通り約600kmとなる。
CHAdeMOを利用した急速充電では、現在主流の90kW充電器を利用すれば約60分で約80%迄の充電が完了する。また10分の急速充電で最大約80km程度、航続可能距離を伸ばす事も出来る。
対して150kWの急速充電器を利用した場合は約50分で約80%の充電が完了。10分の急速充電で最大約130km程度の航続可能距離を延ばす事が出来る。
車両価格は、クリーン・ディーゼル・エンジン搭載モデル(マイルド・ハイブリッド・システム搭載)のBMW 740d xDrive Excellence/¥14,600,000-から、BEVのBMW i7 xDrive60 Excellenceの¥16,700,000-、納車は本年第四四半期を予定している。