救急隊の役割拡大に合わせ、使いやすい、活動しやすい救急⾞を
DNN.com傘下のベルリング (本社:神奈川県横浜市、代表取締役CEO 飯野塁)は9月9日、新基準の救急車の量産・販売の開始にあたり、新たなブランドメッセージ「日本の救急を変える。救急のプロとともに。」を発表し、新型救急車を含む製品ホームページを刷新した。( 坂上 賢治 )
同社の新基準を採用した救急車「C-CABIN」は目下、量産車の販売を鋭意進めており、来たる2023年3月末迄に全国の病院・消防本部に約30台納入予定となっている。そんなベルリングは、消防業界で10年以上に亘って意欲的な製品を企画・開発してきた。
しかしある時、今の救急⾞の姿を⾒て、疑問を感じた事があったのだと言う。それは〝救急隊の役割や活動範囲は⼤きく広がり、変わってきたのに、救急⾞はなぜこんなに変わっていないのだろう〟という疑問だ。
そこでベルリングは、改めて徹底的な現場理解を進め、課題の本質を理解した上で「救急隊員にとって、使いやすい、活動しやすい救急⾞を作ろう」 と考え「C-CABIN」を新提案した。
様々な使いやすい設備を備えた 「救急⾞の新基準」となる製品に
ベルリングによると「C-CABIN」は、従来の救急⾞と⽐べて⾞内空間が圧倒的に広く、揺れが⼤幅に軽減され、様々な使いやすい設備を備えた 「救急⾞の新基準」となる製品だと言う。
ベルリングでは、「我々は救急隊員ではありません。現場で救急活動をすることもできません。 しかし、新しいモノを取り⼊れ、消防活動を変えようとする消防隊員の皆様と共に、製品を作り出してきました。
救急現場にも同じような⽅々がいらっしゃるはず。 そんな、先進的な救急関係者の⽅とともに、⽇本の救急活動を変えたい、救急活動を進化させていきたい。そう考えています」と話している。
新型車両のポイントは3つで、第1は〝車内スペースを拡張し、救命活動の可能性を拡大した〟事にある。これにより一般的な救急車に比べ、足元幅30%UP、室内幅15%UPを実現。新たに生まれたスペースにより、スライド式のストレッチャー架台と跳ね上げ式シートを搭載。この結果、車両右側にも隊員が立てるスペースを確保。傷病者の両側から救命活動が出来るようした。
より多くの命を救うための手助けとなるプロダクトの創出に挑戦していく
第2は〝独自の耐震技術で、驚くほど揺れが少ない車両〟で、これまでは救急車は揺れるものというのが常識だったが、拡大FRPパネルの前後・縦横に骨格形状を実装。前後・上下・左右の全方向の揺れに強くし安定性を向上させた。
併せて乗員・患者が感じる揺れを軽減させるため、救急車の高重量や積載重量に合わせて設計・開発された独自の板バネを搭載。この結果、揺れの影響を受けやすい新生児の搬送など、様々な場面での環境改善に繫がっている。
更に第3は〝救急隊員のストレスや身体的負荷を軽減する使いやすい車両設備〟で、リクライニングシートは高いクッション性とヘッドレストとアームレストを兼ね備えたものとし、長時間乗っても疲れ難いものとした。加えてストレッチャーも負担が少ない電動ストレッチャーとして隊員の腰を守り、女性の活動も改善させた。またレールシステムを採用して、運用後の機材の配置変更も容易となっている。