ベントレーモーターズは8月2日、2021年上半期の業績が販売台数、営業利益ともに創業102年の歴史で過去最高を記録したと発表した。
営業利益は上半期だけでこれまでの通年決算の最高記録を上回る1億7,800万ユーロを達成。販売台数は、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年上半期が4,785台であったのに対し、2021年上半期は7,199台となり、50%増加した。
販売台数の内訳は、ベンテイガ 2,767台、コンチネンタルGT 2,318台、フライングスパー 2,063台と、3車種がほぼ均等であった。
販売台数トップは依然としてベンテイガであり、発売以来はじめて全市場で受注できるようになったことが寄与した。また、ベンテイガにはハイブリッドモデルとSモデルが加わることがすでに発表されている。
第三世代の登場から3年となるコンチネンタルGTシリーズは、2021年下半期にコンチネンタルGTスピードの発売が控えていることもあり、販売台数の大幅な伸びが期待される。
フライングスパーはベントレーにとって最大の市場となった中国での販売開始とV8モデルの投入効果により、シリーズ全体で世界販売台数の29%を占め、好調であった。
2021年上半期の収益は13億2,000万ユーロ。コロナ禍前の2019年上半期が8億3,480万ユーロであり大幅な増加となった。営業利益は1億7,800万ユーロ、売上高利益率は過去最高の13%であった。
半期の過去最高を更新するのは2014年以来となる。2014年は半期収益が8億8,700万ユーロ、営業利益が9,520万ユーロで、通年の営業利益もそれまでの過去最高となる1億7,000万ユーロを記録したが、2021年は上半期だけでそれを上回る結果となった。
販売台数はすべてのグローバル市場で伸長し、地域差が縮小している。中国は約10年ぶりに販売台数トップとなり、2,155台を販売した。南北アメリカは中国に僅差の2,049台、欧州は1,142台と好調を維持。アジア太平洋地域は778台、ベントレーが本社を置く英国は554台で、中東・アフリカ・インドの521台をわずかに上回った。ディーラーネットワークも拡大し、現時点で世界67か国に240店舗を展開している。
ベントレーモーターズのエイドリアン・ホールマーク会長兼CEOは次のようにコメントしている。
「上半期は好調であったものの、今年後半も様々なリスクが懸念されるため、通年見通しを単純に楽観視することはできません。特に、新型コロナウイルスに感染して自主隔離を求められる従業員が増えていることが問題です」
「こうした状況ではありますが、弊社の財務体質は健全でありますので、ベントレー史上最大規模の改革と投資を実行する『ビヨンド100』戦略を継続し、10年以内に全ラインアップを電動化するとともに、不況に強く回復力のあるラグジュアリーカーメーカーとして世界のベンチマークとなることを今後も目指していきます」