自動車サブスクリプションサービス市場規模・予測
日本能率協会総合研究所は3月29日、同社が提供するMDB Digital Searchが、自動車サブスクリプションサービス市場を調査し、市場規模を推計したと発表した。
■自動車サブスクリプションサービス市場概況
・2025年度の自動車サブスクリプションサービス市場は500億円となる見込み。
・自動車サブスクリプションとは毎月一定額を支払うことで、契約した期間自動車を利用できるサービス。
・契約期間中に他車種への変更が可能なことから、様々な自動車を楽しみたい自動車愛好家の需要を獲得。
・契約期間が短く、手軽に利用できるため、若年層やこれまで自動車を所有していなかった人々もユーザーに。
・サービス提供エリア、契約プランの拡充、サービス認知度の向上により市場は拡大の見込み。
自動車サブスクリプションサービスとは、毎月一定額を支払うことで、契約した期間、選択した自動車を利用できるサービス。月額料金には車両代のほか、自動車税、車検料等が含まれており、サービスによっては任意保険料やメンテナンス料等も含まれている。2016年頃より中古車買取・販売企業がサービスを提供開始し、2019年から大手自動車メーカーが相次いで参入した。
月々定額を支払うことで自動車を一定期間利用するという点では、従来のカーリースと同様であり、自動車サブスクリプションサービスはカーリースの一形態と位置付けられる。一般的なカーリースでは、契約期間が5~7年と長く、契約期間中の他車種への変更は認められない一方、自動車サブスクリプションサービスは契約期間が数か月からと短く設定されているほか、契約期間が複数年の場合では一定期間利用すれば契約期間中でも他の車種への変更が可能となっている。
自動車サブスクリプションサービスは、契約期間が短いためライフスタイルや生活環境の変化に合わせて自動車を利用できること、初期費用の安さ、申し込み手続きの手軽さなどを要因として、若年層やこれまで自動車を所有していなかった人々をユーザーとして取り込んでいる。また、利用車種の変更が可能であることから、様々な自動車を試したいという、自動車を愛好する高所得者層の需要も獲得している。
法人での利用においては、保険加入や税金の支払いなどの手続きがないため業務の効率化を図れること、契約期間が短い、あるいは中途解約金が明確であることから柔軟な増車・減車が可能なことがメリットとなり、自動車サブスクリプションサービスを利用する法人が増加している。
市場はまだ黎明期であるものの、参入企業の増加やサービス提供エリアの拡大、契約プランの拡充が進んでおり、利用者数は増加傾向にある。今後は自動車サブスクリプションサービスの認知度向上に伴い、市場は拡大が見込まれるとしている。
– 調査結果の詳細
http://search01.jmar.co.jp/mdbds/