アウディジャパンは2月4日、100%出資子会社であるアウディジャパン販売が7日に「Audi City紀尾井町」をオーブンし、営業を開始すると発表した。Audi Cityは従来のロードサイド店舗とは一線を画す、これからのプレミアムカー販売の在り方を提示する都市型ショールームで、紀尾井町店が世界で6店舗目になる。(経済ジャーナリスト 山田 清志)
「Audi City紀尾井町」の外観
店舗面積は通常ショールームの半分でも
デジタル技術を駆使して車両を可視化
通常のアウディショールームの平均面積に比べて半分ほどのコンパクトな店舗だが、バーチャルテクノロジーを駆使することで、アウディの多数のモデルラインナップを紹介し、個々のお客の希望のオプション装備などを付加した車両を可視化する。
実際に紀尾井町店の場合も、敷地面積は1階272平米、地下94平米とこぢんまりしており、展示車両も4台と少ない。その代わりに店内には車両を大型スクリーンやVRゴーグルを通して体感できる専用のブースを設置している。そのVRゴーグルを通して内装や色の変更をはじめ、乗車時の視点を試すことができるという。
Audi City紀尾井町の目指す店舗像は、デジタル化の推進というだけでなくアウディのプロダクトを体験できることも重要視しているそうだ。しかも、コンパクトな都市型店舗でありながら、ロードサイド店舗と同頭数の試乗車も用意している。
Audi Cityは2012年にロンドン、13年に北京でオープンしたパイロットストアがモデルとなっており、そのコンセプトをブラッシュアップして生まれたものだ。これまでにドイツのベルリン、トルコのイスタンブール、ロシアのモスクワ、ポーランドのワルシャワ、英国のウインブルドンに店舗を設置してきた。
アウディジャパンのフィリップ・ノアック社長と「R8 Spyder」
店舗デザインはアウディのこだわりと
日本の良さを融合して開放的に
アウディジャパンのフィリップ・ノアック社長によれば、Audi City紀尾井町は購入を検討する人だけでなく、開放的なデザインにして気軽に立ち寄れる雰囲気を醸し出したそうだ。
特に店舗デザインにはこだわっており、1階のショールームは外壁、天井にはアウディが100年にわたり採用してきた素材であるアルミニウムを使用。またLEDライン照明は2008年に「Audi R8」で採用されてものをイメージした。至る所に「Audi sport」の象徴であるランバスをデザインに取り込み、スポーティさを演出した。
また、地下はジャパネスクな部分として竹林、簾のような「緩やかに仕切る」という和の技法、アウディと日本の赤色へのこだわり、米国の建築家フランク・ロイド・ライト氏が日本の作品に使用した大谷石の採用など海外から見た日本の良さを部分的に採用した。
地下は和風の要素を取り入れたつくりに
ノアック社長は「大都市の中心部にフィットしたコンパクトな店舗で、デジタル技術を駆使した新しいプレミアムな販売方法を取り入れている。この店舗を通して顧客に新しい体験をしてもらいたい」と話していた。