アウディは12月10日、2000年12月15日に開館したアウディの自動車博物館、Audi museum mobile(アウディ ミュージアム モバイル)の開館20周年を記念して、展示内容を一新し、12月15日から、34台の新しいモデルを常設展示に加えることを発表した。
20周年記念の一環として、フロアの1階から4階の吹き抜けに巨大な循環式展示リフトが設置され、AUDI AGのモータースポーツ史を彩る数々の名車が一堂に展示される。従来の展示では、車両を入れ替えて展示を行っていたが、今後は常設展示される。来場者はミュージアムの1階から4階のどこにいても、それらのモデルを見ることができるようになる。
展示内容の変更により、これまで2階にあったモータースポーツ展示エリアを全面改修して、より現代のアウディアイコンモデルを展示することが可能になった。ここでは、Audi TT Coupéに加えてAudi A2および初代Audi A8といった、アウディがラグジュアリーセグメントに復帰するために重要な役割を果たしたモデルを展示する。
さらに、テクノロジーの展示では、特別なエンジンを搭載した3つのモデルを見ることができる。戦前のクルマを集めたセクションでは、アウグスト ホルヒが最初に製作した革新的エンジンの実働レプリカが展示され、また、1950年代のDKW並列2気筒2ストロークエンジンと、1968年のNSU/Wankelロータリーエンジンが、他のエンジンカットモデルと並んで展示される。
また、劣化が進んだ一部の展示車両は、他の展示車両と交換される。これにより、ドイツ初の8気筒エンジンを搭載した1927年製Horch 303は、後継モデルとなる1928年製Horch 305に置き換えたほか、1936年のAudi Front Roadsterが新しく展示に加わった。Audi Front Roadsterは、わずか2台しか現存せず、数年前にAudi Traditionがオリジナルの状態にレストアを施している。
戦前の展示エリアには、そのほか2台の歴史的な車両も展示される。1939年、アウディの前身であるAuto Union AGが、ベルリンで開催された自動車ショーで発表したスタディモデル Horch 930 S。そしてもう一台は、1940年のDKW F 9プロトタイプ。両モデルともに、戦争が始まったことにより、量産されることはなかった。
さらに、来場者は、歴史の証人として、非常に特別なモデルを見ることができる。アウディの歴史の中で非常に重要なモデルとして、1956年にAuto Union GmbHによって製作されたDKW Mungaが展示される。このオフロード車は、65年前に設立されたドイツ軍によって注文された。このモデルにより、インゴルシュタットで誕生した若い会社が、戦後の厳しい時代を乗り越えることができ、現在へと続くAUDI AGの未来が形成されることとなった。