アウディは3月18日、2020年通期の決算を発表した。
2020年のアウディ グループの売上高は499億7,300万ユーロ(2019年:556億8,000万ユーロ)。特別項目計上前営業利益は27億3,900万ユーロ(2019年:45億900万ユーロ)で、特別項目計上前営業利益率は5.5%(2019年:8.1%)であった。
特に第4四半期は、特別項目計上前営業利益が24億5,600万ユーロ(2019年:12億7,100万ユーロ)、営業利益率が14.7%(2019年:8.9%)で、上半期の損失を補って余りある利益を計上した。
2020年におけるアウディ ブランドの総販売台数は、169万2,773台(2019年:184万5,573台)。パンデミックに起因する約8%の減少率は、世界市場全体の約15%の減少率よりも大幅に低い。年初こそ困難なスタートを切ったものの、その後市場は大きく回復し、第4四半期には50万5,583台の車両を販売した(2019年第4四半期:48万8,471台)。
2020年には、トップレンジのモデルとSUVモデルが特に好調で、たとえばAudi Q3とAudi A6の販売台数は、前年と比較して、それぞれ18.1%と11.8%増加。電気自動車のAudi e-tronは、Audi e-tron Sportbackとともに、ドイツのプレミアムメーカーでは、世界で最も売れている電気自動車となり、需要は前年比で約80%増加した。2020年度に、Audi Sport GmbHは、前年比16.1%増となる販売台数を記録して、新記録を達成している。
アウディ グループは、2021年にコロナパンデミックが収束に向かうことを条件として、世界経済は回復すると予測しているという。
AUDI AG最高財務責任者(CFO)のアルノ アントリッツは、次のようにコメントしている。「私たちは、2021年に慎重かつ楽観的な見通しを立てています。そして、第4四半期の力強い勢いを継続したいと考えています。私たちの野心的な目標は、前年と比較して大幅な成長を遂げることです」
アウディ グループは2021年に、7〜9%の営業利益率達成を計画しており、9〜11%の戦略的範囲に近づくことを目指している。それにより、アウディは、プレミアムメーカーとして、製品関連投資を優先させ、固定資本投資の戦略的目標範囲を1%減らして、売上高の4〜5%にするという。それとは対照的に、製品と未来のテクノロジーに対する投資を強化。アウディは、売上高に対する研究開発費の割合を、従来の5〜6%から、6〜7%に増加する予定だとしている。