アウディAGは、1月10日(ドイツ現地時間)、2018年暦年の全世界の車両販売台数を発表した。世界市場における販売台数は、前年比3.5%減となる約181万2,500台となった。
2018年暦年の販売台数の内訳を地域別に見ると、ヨーロッパにおける販売台数が13.6%減少し、中国(香港を含む)でプラス10.9%。北米では、前年と同レベル(0.9%減)で推移。中国を除く他の地域全てでマイナスとなり、全体として前年比で3.5%減少。中国とヨーロッパ市場で明暗を分ける形となった。
また、2018年12月単月の車両販売台数は、世界で前年同月比14.3%減の約15万4,550台。全世界でマイナスとなり、大きく減らしている。
この発表に際して、AUDI AGの最高経営責任者(CEO) 兼 暫定販売マーケティング担当取締役のブラム ショット氏は、以下のようにコメントしている。
「2018年はアウディ史上最大のモデル及び技術キャンペーンが実施され、WLTP試験サイクルへの切り替えも重なったことで、予想通りの非常に厳しい一年となりました。しかし、最新モデルからの好意的なフィードバックは、弊社の力強いブランド力を示しています。私たちは、今年の新たな挑戦に向けて準備を進めています」。
[2018年暦年の地域別販売台数について]
<中国>
中国では、前年比10.9%増となる66万3,049台の車両を販売し、新記録を達成。過去10年間で、販売台数は5倍以上に増加している。
2018年には、現地生産しているプレミアムモデルのAudi A4 L(前年比42.6%増の16万3,279台)及びAudi A3(前年比12.7%増の9万1,173台)の需要が急増。フルサイズのフラッグシップモデル、新型Audi A8 Lも1万台以上販売した(前年比4.0増)。
また10月には、中国市場専用モデルで若年層をターゲットとしたAudi Q2のロングホイールベースバージョンをラインナップに追加。更に中国市場には、2019年、新型Audi A6 Lの導入も予定されている。
加えて、現地生産初となる電気自動車Audi Q2 L e-tron、輸入モデルのAudi e-tronにより、アウディは2019年下半期に、中国市場のモデルラインナップを電動化する重要な一歩を踏み出すとしている。
<ヨーロッパ>
ヨーロッパでの2018年の販売は、前年比13.6%減となる約74万3,600台。2018年初頭からの全販売台数の約1/3にあたるA1、A6、A7、Q3といった重要モデルのモデルチェンジや、政治的及び経済的な不安定要素と共に、新しいWLTP試験サイクルへの切り替えが重なったことが、大きく影響したとしている。
そんな中、Audi A7は、前年比47.4%増の約1万100台を販売し好調なセールスとなった。また、Audi e-tronが、約1万6,000台の事前予約を集めた。
なお、2018年12月単月の販売については、前年比20.9%減の約5万1,500台と大きく減少。
アウディは、追加のエンジン/トランスミッションのバリエーションを再びコンフィギュレーターに注文できるよう、引き続き各モデルの認証取得を進めていくとしている。
<米国>
米国での販売は、2017年比で若干の減少となる22万3,323台(前年比1.4%減)。スポーティなオフロードモデルのQファミリーが、米国での売り上げを牽引。市場平均を上回る前年比8.3%増の12万6,252台を販売した。なお、Qモデルの中で、最も人気の高いはAudi Q5で、前年比21%増の6万9,978台を販売。
SUVモデルが全体の販売台数に占める割合は、57%に達した。
また、アウディカナダの販売台数は、SUV人気の影響を受けて新記録を達成(前年比2.5%増の3万6,908台)。カナダは3年連続で、アウディの販売台数トップ10に入る市場となっている。
アウディは、北米市場について、2017年の高い水準で推移している(前年比0.9%減の約27万5,000台)との見方を示している。