独・アウディAGは、3月5日、2019年3月7日から3月17日(5-6日はプレスデイ)にスイスのジュネーブで開催される「第89回ジュネーブモーターショー」に展示している、コンパクトSUVタイプの新型EV「Q4 e-tronコンセプト」の詳細を発表した。
2020年に市販バージョンの販売を予定するQ4 e-tronのコンセプトモデルとして登場したのがこの車両。
ボディサイズは全長4.59m、全幅1.90m、全高1.61mで、同社SUVの従来モデルであるQ3(全長4.40m、全幅1.83m、全高1.59m)とQ5(全長4.68m、全幅1.90m、全高1.66m)の中間に位置するモデルだ。
車両のコンポーネントシステムは、同社も傘下にあるフォルクスワーゲングループがEV用に専用設計したモジューラーエレクトリフィケーションプラットフォーム(MEB)を採用。このシステムは、同グループが今後発売するすべてのEVに用いられるものだ。
搭載するパワートレインには、225kWのシステム出力を発揮する2基の電気モーターを採用。同社独自のquattroフルタイム4WDの搭載で、抜群の走破性を実現。最高速度は電子リミッターにより180km/hまでに制限されるが、0~100km/hをわずか6.3秒で加速する優れたトラクション性能を発揮する。
また、前後アクスル間のフロア下スペースをほぼすべて占めるバッテリーは、82kWhの大容量タイプを採用。航続距離はWLTPサイクルで450kmを誇る。加えて、最大125kWで充電ができ、その場合、80%まで充電するのに必要な時間は30分以下となっている。
インテリアでは、コンパクトな寸法ながら2.77mのホイールベースを確保することにより、余裕の室内スペースを実現。また、EVのため室内スペースを制限するトランスミッショントンネルが存在せず、フロント及びリヤシートの両方で、外観から想像するよりも遥かに広いスペースと快適性を提供する。
また、ステアリングホイール奥には速度、充電レベル、ナビゲーションといった最も重要な情報を表示するバーチャルコックピットを装備。また、大型ヘッドアップディスプレイは拡張現実機能を持ち、ターンインジケーターといった重要なグラフィック情報を、車両前方の道路上に浮かんでいるように投影することが可能だ。
フロントフェイスに同社EVモデルの象徴である幅広く、ほぼ垂直に設置された八角形のシングルフレームグリルも採用し、精悍なイメージのデザインを取り入れたこのモデル。
発売時期は、前述の通り2020年後半。既に発売中のe-tronや、同じくジュネーブショーで展示されるe-tronスポーツバックやe-tronGT、中国市場専用のQ2L e-tronに続く、同社ブランド5番目のEVとして登場予定だ。
加えて、同社では、2025年までに12のEVを発売することも公表。全世界の主要な市場において、電動化モデルの販売台数を全体の約1/3にすることを目指す方針だ。