モントレー・カー・ウィークで空陸両用のトランジションを披露
米国カリフォルニアに本社を置くASKA社は8月24日、〝ASKA™ A5〟のフルスケール実機を、ヒストリックカーとモダンカーの展示会「モントレー・カー・ウィーク(開催期間8月11日から20日)」に於いて披露したことを明らかにした。( 坂上 賢治 )
今回8万5000人超の観客が訪れたモントレー・カー・ウィークでは、ASKA A5が地上走行モードから飛行機モードへのトランジションを披露。
その後、着陸して公道を走行。ショッピングセンターのパーキングに駐車した。なお19日土曜日には、シーサイドで開かれた”Exotics on Broadway”でも実機を披露。
SUVサイズのASKA A5は250マイルの航続飛行を実現
モントレー・カー・ウィークの会期中には、米国で5000万人以上のフォロワーを持ちスーパーカーブロンディとして知られるAlex Hirschi氏も試乗。ASKA A5に乗ってペブルビーチ周辺でのドライブを愉しんだ。
SUVサイズのASKA A5は、公道を走行すると共に垂直離着陸を行うことで、飛行機になる世界初の空飛ぶ車で、最高基準の安全性を基に設計されており、250マイル(約400キロメートル)の飛行航続距離を有する。
ASKA社は、6月30日に A5が連邦航空局(FAA)による認証書(COA)と特別耐空証明を取得してFAAへの型式証明手続きを正式に開始。8月2日には実機が安定した空中停止飛行(ホバリング)に成功したことを報告。
米国自動車管理局(DMV)よりナンバープレートを取得し、地元シリコンバレーの公道に於いて300マイル以上(約480km)のテストにも成功している。
飛行中にバッテリーを充電できるプラグインハイブリッドを採用
今回の機体の披露について共同創業者兼CEOのカプリンスキーガイ氏は、「モントレー・カー・ウィークにて公開デモをする事は当社の重要なマイルストーンであり、観客の皆様から当社のビジョンの対する前向きな反応に触れることができたことは大変嬉しいことです。
このASKA A5はパイロット1名、乗客3名の4人乗りで、ヘリコプターのように垂直に離陸、小型飛行機のように飛行します。翼を格納するとSUV程の大きさになって、公道を走ると共に通常の駐車場に機体を駐車できます。
A5は飛行も走行も電動ですが、バッテリーシステムに加えてガソリンエンジンをレンジエクステンダーとして搭載しているため飛行中にバッテリーを充電できる、いわゆるプラグインハイブリッドを採用しています。
離陸後の飛行航続距離は250マイル(約400キロメートル)、最高飛行速度は時速150マイル(時速約240km) です。ASKA™ A5の価格は1機78万9000ドルで、2026年の商業化を目指しています。
ASKAは、カプリンスキーガイ氏とカプリンスキー真紀氏により創設
今後は、Advanced Air Mobility(AAM)が既存の地上インフラと連携することでファーストマイルとラストマイルを担う役割となって、社会で普及していくことでしょう。
そうした意味で、モントレー・カー・ウィークに於いて一般の方々との交流機会を得て、エアモビリティへの理解が高まってきていることが実感できたこと。加えて、個人、企業、医療関係団体より既に5000万ドル以上の予約を頂いていることに感謝しています」と述べた。
ちなみに機体の開発企業であるASKAはカリフォルニア州マウンテンビュー市に本社を置くエアモビリティ会社。
2018年に起業家のカプリンスキーガイ氏(共同創業者兼CEO)並びにカプリンスキー真紀氏(共同創業者兼会長)のふたりによって設立した。
カプリンスキー真紀は名古屋出身の日本人で、ASKAのエンジニアチームは日本出身のエンジニアも多く、日本のモノづくりが活用されている。