STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)は3月17日、ハイレゾ対応の車載用D級オーディオ・アンプ「HFDA801A」を発表した。
HFDA801Aは、スイッチング周波数が2MHzのパルス幅変調(PWM)を使用するクワッド・ブリッジ構成の車載用D級オーディオ・アンプ。内蔵の高性能DAコンバータにより、電源オン / オフ時のノイズを発生させずに、あらゆる負荷状態においてHi-Fi品質のサウンドを提供。また、121dBの信号ノイズ比、120dBのダイナミック・レンジ、わずか10μVの出力ノイズにより、低コストかつ小型の部品においてきわめて高いオーディオ性能を実現するという。
HFDA801Aには、LCローパス・フィルタ後からのフィードバック構成が採用されており、最大80kHzの超広帯域かつフラットな周波数特性を実現できるため、外付け部品を最小限に抑えることができる。広帯域幅に対応することで、ハイレゾ対応のオーディオ・システムに使用することができ、インダクタやキャパシタの品質にかかわらず、優れた線形性と低い全高調波歪率を実現する。
また、専用のアーキテクチャが採用されており、必要な電圧のすべてをデバイス内部にて作り出すため、追加のレギュレータなしで車載バッテリから電源供給が可能。幅広い負荷に対応しているため、4チャネルすべてが2Ωの低インピーダンス負荷を高パワーで駆動しているときでも安定した性能を発揮する。
さらに、自己診断機能、デジタル・インピーダンス・メータ、およびリアルタイム負荷電流モニタを搭載しているため、車両接近通報装置(AVAS)など、安全性が要求され、ASILへの準拠が求められるオーディオ・アプリケーションにも使用可能だ。
HFDA801Aは、現在サンプル出荷中で、2021年後半に量産開始を予定しているという。