車体は、贅肉をそぎ落とした「懐かしさ」さえ感じさせる20世紀のスポーツカー然とした流麗なスタイリングなのだが、懐古趣味満点なのは単なる訴求イメージだけで、車両スペックを見ると今日に相応しい性能で裏打ちされており、時速250km/hの速度域で完全なフラットなアンダーボディによるダウンフォースが190kg。後部バンパーの下に設けられた機能的なリアディフューザーによる同じくダウンフォースが85kg。空気抵抗係数値が0.32である。
この意外感は駆動方式にも現れており、当時のA110を認識しているエンスージアストが想定するRR(リアエンジン・リアドライブ)からMR(ミッドシップ)に切り替わり、動力源となるパワーユニットは、ルノー・日産アライアンスが共同開発した1798ccの直列直噴4気筒ターボエンジンを搭載。
これにエアインテーク、ターボチャージャー、エキゾーストシステム、エンジン制御系にアルピーヌ専用仕様のセッティングを加え、最大出力は252ps(185kW)/6000rpm、最大トルクは32.6kgm(320Nm)/2000rpm。
トランスミッションには、素早いシフトチェンジを可能にするゲトラグ製の電子制御湿式7速AT(DCT)が組み込まれている。もちろんマニュアルモードが搭載されているから、ステアリングポストに装備されたパドルで変速が可能だ。
気になる加速性能は0-100km/h4.5秒となっている。車格は、4205×1800×1250mmとなっており、これらの数値によりパワーウエイトレシオは4.4kg/psを可能とした。最高速度はリミッターが作動する時速250km/hまで続く。