このA110は、登場するやいなや並み居るラリーシーンで、破竹の快進撃を開始。ルマン24時間レースへの参戦も果たした。さらに1962年の「M63」を皮切りに、毎年矢継ぎ早に「M64」、「M65」、「A210」を送り出した1969年時期。フランス北西部の大西洋に面したノルマンディー地域圏の町「ディエップ」に開発・製造拠点を移転させた。
さらに4年後の1973年には、ルノーがアルピーヌを子会社化するべく動く。以来、アルピーヌというブランドは、ルノーという大企業傘下でルノーお墨付きのスペシャル・オペレーション・モデルの輩出を手掛ける特別な自動車生産会社になった。
ただ残念なことに一旦、A610を以て1995年から40年間続いたアルピーヌ・ブランドの自前の車両自体が途絶えてしまった。しかし「ソシエテ・デ・オートモビル・アルピーヌ・ルノー」として、企業自体の存続は続いていたのである。
そしてカルロス・ゴーン氏がルノー取締役社長、最高経営責任者に就任した後の2007年10月9日に、遂にルノーによりアルピーヌブランド復活が宣言され、それが今回の新型A110に結実する。
これこそが今回、発表され、販売の受付が開始された新型アルピーヌA110である。そのスタイリングは、初代アルピーヌA110のテイストを踏襲しつつ、最新テクノロジーを取り入れたモダンなアルミ製のボディーをまとっている。
そのパッケージは、今や数多の装備搭載により、車体の重さだけが際立つライバルのスポーツカーとは一線を画す車重1110kgの2人乗りのライトウェイトスポーツとなっている。