アルプスアルパインは7月8日、ハンズオフ検知(HoD:Hands Off Detection)用のECUを発表した。
この製品は、ハンドルの握り方を細かく判別することで自動運転支援システムに対応する。2021年春より量産を開始しており、順次搭載車種の拡大を計画。自動運転支援機能の向上に伴い次世代モデル向けにも開発を開始しているという。
自動車業界ではCASE(Connected、Autonomous、Shared & Services、Electric)の技術革新が加速している。Autonomous(自動運転)の領域においては、昨今、高速道路走行時や低速走行時などの条件下に限り、システムが全ての運転タスクを実行する高度な自動運転支援システムが開発され、販売が開始されている。
これらの機能を搭載した自動車では、自動運転支援と手動運転の切り替えを安全かつスムーズに行うためにドライバーの運転状態を検知・判断する必要がある。その一つとしてドライバーのステアリングホイール掌握状態を判断するハンズオフ検知機能があり、安全担保のために、これまで以上に高精度かつ多様なステアリングの掌握検知が求められていた。
ステアリングホイールのタッチ検知はコスト・性能面から静電容量方式が主流となる。ECUはステアリングホイールに巻きつけられた専用静電容量センサで検知した情報からドライバーのタッチ判定を行い、先進運転支援システム(ADAS)へタッチ合否を展開する。既存のハンズオフ検知システムは1極のみのモノゾーン仕様に対し、同社は4極のマルチゾーン仕様を開発(図1)。ステアリング、掌握パターン判定を細分化することでシステムの効率的な切り替えとタッチ判定の信頼性向上を実現した。
図1