ステランティスジャパンは1月26日、傘下のアルファ・ロメオブランドで初のMHEV( マイルドハイブリッド )の新型SUV「トナーレ」の国内導入を宣言した。なお記者発表では、イタリア本国からアルファ・ロメオのジャン=フィリップ・インパラ―トCEOも来日した。
登壇したインパラ―トCEOはトナーレについて、スポーティネスを継承しつつもブランドの変革を示す「La Metamorfosi( ラ・メタモルフォシ/変革 )」を体現した新しいベビーと呼び、アルファロメオの新時代を告げるクルマだと紹介した。
加えて1910年に生まれのアルファロメオは、ステランティスグループ内でプレミアムブランドとしての立ち位置をより確かなものとするべく、2025年以降に発表する新型車はEVのみに。
来たる2027年には製品ラインアップの全てをEVに切り替える計画を発表。これに沿って2024年にアルファ ロメオ初のEVを日本で発売するなど同ブランドの電動化ビジョンを示した。
アルファロメオブランドのジャン=フィリップ・インパラートCEO
またステランティスジャパンの打越晋社長は、ステランティスの提供価値を4つの車輪に例え、〝多様性に富んだ商品を提供する〟〝電動化の加速を早める〟〝販売拠点を2022年時点の349から2025年迄に442に拡充する〟〝ブランド間でファイナンス商品を共有させる〟と語った。
なお今発表のトナーレ自体は、先の通りでアルファロメオ初のMHEVを搭載。今から4年前のジュネーブモーターショー2019で初披露されたもの。
既にイタリア本国では、2022年2月8日から市販されており高評価を得ている。ちなみにトナーレという車名は、同じSUVラインナップ上の「ステルヴィオ」と同じくアルプスを臨む峠から命名した。
ボディー骨格は、ステランティスグループの「スモールワイドプラットフォーム」を基に同車の開発に合わせてワイドトラック化。これにより全長4530mm×全幅1835mm×全高1600mmのサイズ感を持つ。サスペンションは前後ストラット式となっている。
エクステリア上の特徴は、ボディーサイドに往年のジュリアGTを連想させるショルダーラインを持ち、リアサイドガラスは8Cコンペティツィオーネをオマージュ。これに3連LEDコンビネーションランプと対となるヘッドランプを持つ前後ビューを組み合わせて、新旧融合のスタイリングを持たせたところにある。
ステランティスジャパンのアルファ ロメオ プロダクトマネージャー 田村明広氏
搭載される内燃エンジンは、吸気ポートの改良などによって気筒内の圧縮比を12.5:1へ高めて最高出力160ps・最大トルク240Nmを稼ぎ出した直列4気筒直噴( 350気圧 )1.5リッターターボエンジン。
これにアルファ・ロメオ初のMHEVユニットを組み合わせた。当該ユニットの構造自体は、7段デュアルクラッチトランスミッションに最高出力20ps・最大トルク55Nmの48Vモーターが内蔵されている。
この組み合わせでWLTCモードによる燃費は16.7km/L。なお走行の状況に応じてエンジンとトランスミッションを切り離して20km/hの電動走行が可能となっている。
インテリアは、ブラック基調のダッシュボードの中央に10.25インチのタッチスクリーン、メーターパネルには12.3インチの大型デジタルクラスターメーターを配した。
コネクティビティ機能は、アルファ・ロメオ初の車載通信モジュールを全グレードに標準搭載。車内のヘッドユニットとスマートフォン、スマートウォッチ、PCなど多くのタッチポイントからの利用が可能としている。
組み込まれたナビゲーションシステムはアイシン製。スマートフォン専用アプリ「マイ・アルファ・コネクト( My Alfa Connect )」を使う事で、ナビゲーションの目的地設定、ガソリン残量やタイヤ空気圧、走行距離などの車両コンディションの確認、自車位置情報の閲覧が可能。
更に施設名称による検索や天気予報、ガソリン価格や駐車場の満空情報、渋滞情報(VICS)、最終目的地へ向かう徒歩ルートを含む経路案内も行える。
ブランド初となるNFT( 非代替性トークン )も初搭載した。これは走行データの改ざんを不可能とする機能で、車両売却時の信頼性を高めてリセールに於ける安心感を醸成する。
モデル構成は、マトリクスLEDヘッドライトやADAS( 先進運転支援システム )、19インチホイールを装着する「TI」( ティーアイ/受注生産 )。
これに導入記念モデルとして「ミザーノブルー」と呼ぶ専用の外板色などを持たせ、ダークフロントグリルや専用の20インチホイール、ステアリングヒーター、ヒーターやベンチレーション機能付きの電動レザーシート、harman/kardonプレミアムオーディオシステムなどを採用した「エディツィオーネ・スペチアーレ( Edizione Speciale )」が用意される。
ボディカラーは、TIがアルファ レッド(ソリッド)、アルファ ブラック(ソリッド)、アルファ ホワイト(ソリッド)の3色。
エディツィオーネ・スペチアーレは、先のミザーノ ブルー( メタリック )に、これも特別色となるモントリオール グリーン( 三層塗装 )、ヴィスヴィオ グレー( メタリック )、アルファ レッド( ソリッド )の4色。
価格はTIが524万円、エディツィオーネ・スペチアーレが578万円。発売日は2月18日。なお導入記念モデル販売終了後は、後継モデルとして「ヴェローチェ」が導入される予定だ。