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2024年3月13日【トピックス】

アフリカEV二輪のDodai、300万米ドルの資金調達

坂上 賢治

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アフリカ・エチオピアでEV二輪車を開発・販売する「Dodai( 代表取締役CEO:佐々木裕馬 )」は3月13日、日本企業の武蔵精密工業、ニッセイ・キャピタル、ICJより300万米ドル(約4.5億円)の資金調達を完了した。

 

 

日本人の佐々木裕馬氏がエチオピアで起業したDodai。その電動二輪は、当地では唯一のリチウムバッテリー搭載車だ。また新型モデルは、従来型よりバッテリー寿命が約4倍に拡大した。その結果、走行距離が他社と比較して( フル充電時の比較、Dodai調べ )、競合車なら通常60-70kmのところ、120-150kmの走行が可能となっている。

 

また当地に於ける競合他社は、車両の完全売り切り事業を経営の基本としているのだが、Dodaiは販売後のアフターセールスにも対応。メインテナンス自体は随時無料かつ、スペアパーツも常に揃えているため、故障しても継続して使用できる手厚いサービス体制を敷いている。

 

 

加えて車両提供にあたっては、エチオピア当地のマイクロファイナンス機関のVisionFund( ビジョン・ファンド )と業務提携。車両入手にあたり手元の購入資金がない個人客でも、Dodaiブランドの電動モビリティをローンで購入することができる。

 

そんなDodaiは、2023年8月にエチオピアで電動モビリティ事業をスタート。「アフリカの全ての人々に電動モビリティを」を社是に掲げ、2027年以降アフリカ各国でのサービス展開を目指している。

 

 

また当地エチオピアは平均年齢19歳という若い国であり、まるで明治維新を思わせる活気に充ちているという。

 

そうしたなかで今回、日本企業の出資を受けたDodaiは、「この度、私たちのビジョンと可能性を現地訪問で直接確かめて下さった3社から、出資を受ける運びとなりましたことを嬉しく思います。調達した資金は、主にモビリティの仕入れ等に充当し、今年中に5000台の電動モビリティの販売を目指します」と述べている。

 

なお以下は、今回の投資ラウンドへ参画した企業のコメントとなる。

 

 

武蔵精密工業/代表取締役社長・最高経営責任者 大塚 浩史氏
エチオピアは再生可能エネルギー資源に恵まれていますが、国内のモビリティ(交通手段)は大きく輸入原油に依存しているため、その点で国家財政に負担をかけています。

 

ムサシは、Dodai社との広域でのオープンイノベーションを通じて同国におけるe-モビリティの普及を推進することで、『人と環境が調和した豊かな』社会の実現を目指していきます。

 

 

ニッセイ・キャピタル/シニアキャピタリスト 三野 隆博氏
ニッセイキャピタル初のアフリカ投資案件としてDodai社に出資出来たことを非常にうれしく思います。

 

エチオピアでEバイク事業を行っている日本人社長がいることへの驚きが、当案件の出発点でしたが、デューデリジェンスを進めて、実際にアディスアベバを訪問させて頂く中で、エチオピア経済がまさに時代の夜明けに差し掛かっており、Eバイク事業が繁栄する経済条件が揃っていることを肌で感じました。

 

そして、当地にて圧倒的なスピード感で事業を進める佐々木社長ならばEバイクの爆発的な普及を成し遂げられると感じ、ご出資させて頂きました。アディスアベバの道路が、Dodaiのオレンジ色のバイクで染め上げられる将来を楽しみにしています。

 

 

インクルージョン・ジャパン/取締役ジェネラルパートナー 吉沢康弘​​氏
2022年末の前回ラウンドで投資実行して以来、3ヶ月に1回のペースで、エチオピアを来訪し、事業立ち上げの支援だけでなく、Dodaiを取り巻く周辺スタートアップにも投資を続けてきた私としては、Dodaiの発展が、エチオピア全体のスタートアップエコシステムを強く牽引していると実感しています。今回、日本から新たに強力な投資家を迎え、いよいよ事業の非連続な成長が始まることに、ワクワクが止まりません。

 

会社概要
会社名:Dodai Group, Inc
所在地:651 N Broad St, Suite 206, Middletown, New Castle, Delaware, US, 19709(子会社を通した主要事業拠点はエチオピア)
代表者:代表取締役CEO 佐々木裕馬
設立:2021年
事業内容:電動モビリティの輸入・販売・充電ステーション提供等
ホームページ:https://dodaijapan.com/index.html
協業や出資に関する問合せ先:info@dodai.co

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。