ZF エグゼクティブバイスプレジデント クリストフ・マーナット氏
独・ZFとインテル傘下の半導体メーカーであるモービルアイは5月18日、今後数年にわたり、トヨタの複数の車両プラットフォーム向けに先進運転支援システム(ADAS)の開発を行うと発表した。
ちなみにZFは、米国で事業展開しているTRWを傘下に収める世界規模の総合自動車部品メーカーで、一方のモービルアイは、オリジナルのソフトウエア技術を駆使した車載カメラ用技術の開発・提供を幅広く行っている。
今回、両社が共同で提供するデバイス並びに機能は、ZFの中距離用レーダー「Gen21」にカメラシステムを組み合わせたもの。これにモービルアイからは画像処理チップ「EyeQ4」と関連ソフトウエアなどを組み合わせる。
前出の中距離用レーダーGen21は、77GHzの高性能フロントレーダーで、歩行者対応型の衝突被害軽減ブレーキ用など低速・広視野角検知に使われる他、アダプティブクルーズコントロール時の高速・長距離検知にも対応しているとZFが紹介。
対してEyeQ4は、画像処理を担う機能をひとつのチップに集約したシステム・オン・チップ(SoC)で、これにより横方向と前後方向の周辺検知で優れた車両制御と、衝突の防止・軽減を実現するとモービルアイでは謳っている。
元々両社はコンピュータービジョン、機械学習ベースのセンシング、マッピング(高精度地図)・ローカライゼーション、レーンキープ/レーントレーシングなどの車両制御システムで協業していることから今回、初めてトヨタへのシステム納入が進められることになった。
初採用に対してインテル コーポレーション上席副社長でありモービルアイ社長兼CEO(最高経営責任者)のアムノン・シャシュア氏は「モービルアイは、ZFと共に世界最大の自動車メーカーであるトヨタ向けの運転支援および安全技術を開発できることを大変光栄に思います」と述べている。
またZFのエレクトロニクスおよびADAS事業部を担当するエグゼクティブバイスプレジデントであるクリストフ・マーナット氏は「ZFは、トヨタ、モービルアイと緊密に連携し、世界の安全基準に準拠した先進の安全システムを開発できることに期待で胸を膨らませています。わたしたちの革新的テクノロジーによって、フュージョンベースのシステム、ADAS機能に卓越したパフォーマンスと安定性が備わります」と語った。
ZFとモービルアイの両社は、今協業にあたって互いに連携をとりながら、持ち前のレーダー技術と最先端のカメラ・テクノロジーを連動させて、トヨタの先進運転支援プラットフォームを提供していくという。