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2018年11月30日【オピニオン】

トヨタ自動車と仏PSA、欧州での協業関係を加速

坂上 賢治

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 未来の車両利用がサブスクリプション契約になれば、10年に一度のタイミング毎で個人が200万円の自動車を定期的に買い換えるより、安価な利用料金を都度都度、継続的に獲得していく方が自動車市場としての収益構造は改善・拡大する。

 

 

そんな将来に於いて自動車製造は、現状より大量にかつ迅速に製品を供給していく能力が求められ、世界の自動車製造を担う企業は数社のレベルで寡占化するようになる。

 

 

結果、多くの自動車メーカーは、今の半導体大手のARM Ltd社や電子デバイスメーカーのApple社のようにファブレス化して設計のみを手掛け、世界に数社だけ残った巨大な自動車製造企業が、それらの受注に応えるようになる。

トヨタは現段階では、そうした希有の国際的な自動車総合企業になることを目指しており、今回のグループPSAとの協業策は、そうした遠い先を踏まえ、互いの強みを活かし・伸ばしていく道の過程にあるのだろう。

 

TPCAの概要
(2018年1月時点)
会社名:Toyota Peugeot Citroen Automobile Czech
(トヨタ・プジョー・シトロエン・オートモビル・チェコ、TPCA)
工場概要:車両生産工場(プレス、ボデー、塗装、組立工場)
設立時期:2002年3月
生産車種:小型乗用車「トヨタAygo」、「プジョー108」、「シトロエンC1」
生産開始時期:2005年2月
所在地:チェコ共和国コリン市(プラハから東に60km)
社長:青木 是篤(あおき これあつ)
社員数:約2,400名
資本金:5,140,000,000 CZK(約257億円 1 CZK=5円で換算)
株主及び持株比率:TMC 50%、PSA 50%
生産能力(年間):300,000台
生産実績(2017年):約199,000台
累計生産台数:約3,300,000台
累計投資額:非公表

 

TMEの概要
・正式名称:Toyota Motor Europe N.V./S.A.
・所在地:ベルギー ブリュッセル市内
(Avenue du Bourget 60, 1140 Brussels, Belgium)
・社長:ヨハン ファン ゼイル(Johan van Zyl)
・事業内容:トヨタの欧州事業の統括
(2005年10月1日にTMEM/TMMEを統合)
・資本金:約24億ユーロ
・株主構成:トヨタ 100%
・従業員数:約2700名程度
(数値は2005年10月1日TMEM/TMME統合時)

 

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( MOTOR CARSから転載  )

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。