結果、TME(トヨタ欧州NV/SA)によるTPCAの完全子会社化で同拠点はトヨタの欧州に於ける8拠点目の生産工場に加わる。トヨタ自動車のディディエ・ルロワ副社長は、「この度の新たな協力関係は、グループPSAとトヨタ自動車の両社間に於ける良好な信頼関係に基づくものです。
この合意を通して、我々両社は技術と開発費を分担しながら、それぞれが強みを活かすことができます。またTPCAの完全子会社化は、当社の基本的な考え方である『販売するところで生産する』こと。そして長期にわたる我々の欧州でのプレゼンスを象徴する存在でもあります」と話している。
対してグループPSAのカルロス・タバレス会長は、「今回の発表は、両社の良好でかつ、互いに有益なパートナーシップの新しい幕開けです。これは、お客様や両社にとって最善となる信頼関係に基づくものです」と結んでいる。
TMEの戦略が欧州に於ける自動車製造地域のパワーバランスを変化させていく兆しになるか?
現在、フランスを中心とした欧州地域では、既に読者もご承知の通りだが、フランス政府の国策会社として育まれてきたルノーと、日本の日産自動車・三菱自動車工業の3社連合で図らずもモタつきが露呈している。
そうしたなか奇しくも、かつて日産自動車に将来を嘱望され、次世代の経営者候補として自動車ビジネスを学んだものの、最終的にはゴーン氏と袂を分かったカルロス・タバレス氏がグループPSAに電撃移籍。
新たな環境下でタバレス氏は、自らの思うままに辣腕を振るっている。昨年2017年3月には、GMが抱えていたオペル・ヴォグゾールを約2650億円の額面買収で吸収。その後、これらの生産拠点を持つ該当地域との摩擦を作りながらも、さらなる企業規模の拡大機会を伺っている。