カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (英文名: Counterpoint Technology Market Research 以下、カウンターポイント社)は、欧州におけるコネクテッドカーの出荷台数は、ここ5年の急速な伸びをうけて、今後もCAGRで12%の成長が期待され、2020年から2025年の間に累計6,900万台が出荷される見通しであるという調査結果を含むSmart Automotive serviceによる最新調査を、2020年12月16日発表した。
この成長と出荷台数速度は、純正品のインターネット接続を搭載した乗用車の数字に限った話。大多数のコネクテッドカーは、2025年までは、引き続き4Gを搭載したテレマティクス制御ユニット(TCU)を採用する見込みだが、但し、5Gネットワークの普及が進むため、4Gのシェアは2022年以降減少すると見られている。
各地域における最新コネクテッドカー機能搭載について、カウンターポイント社リサーチアソシエイトのFahad Siddiqui氏は以下の通りコメントしている。
「欧州市場は、COVID-19の影響で、2020年第2四半期に前年同期比41%の減少に見舞われた。コネクテッドカーの出荷はドイツが先頭を走り、これにフランスと英国が続いている。自動車事故への対応を早めるためのeCall(自動緊急通報システム)の欧州での義務化によって、ここ数年TCUの搭載が著しく伸びている。」
2020年第2四半期における欧州のコネクテッドカー市場シェア – 自動車グループ別
カウンターポイント社調査担当VPのPeter Richardson氏は以下の通り付け加えている。
「トップ3社である、フォルクスワーゲン、PSA、ルノー日産連合は、欧州におけるコネクテッドカーの出荷のほぼ半分を占めている。それは、この3社が欧州における乗用車販売においてリーダーのポジションにいることに他ならない。例えば、フォルクスワーゲンのGolfとTiguanはドイツにおけるベストセラー車であり、PSAのPeugeot 208とCitroen C3はフランスにおけるベストセラー3車種にランクインしている。また、高級車を製造するダイムラーやBMWも、eCallが義務化するよりはるか以前から、コネクテッド機能の提供に積極的である。」
カウンターポイント社のSmart Automotive Reportでは、コネクテッドカーに採用されるセルラー技術の種類についても言及があり、接続方法という視点で、シニアアナリストのAman Madhok氏は以下の通り述べている。
「2020年第2四半期には、4G LTEが接続方式の第一の選択肢であり、この四半期に出荷された車の5台に4台が採用していた。しかし、欧州でも発展途上の地域では、OEM各社はeCallの基本部分のみに対応させており、それには十分な2G/3Gもいまだに相当数利用されている。それでも、5Gの開発は欧州で加速しており、大手自動車メーカーはC-V2Xの試験を実施している。2025年には、欧州のコネクテッドカーの5台に1台は5G対応になるだろう。」
包括的で詳細な Global Connected Car Tracker 2020 は、以下を参照。