JAF(一般社団法人日本自動車連盟 会長 藤井一裕)は、「信号機のない横断歩道」における歩行者優先についての実態調査を実施し、10月16日、その結果を公開した。なお、調査は全国で実施され、各都道府県の結果もあわせてウェブサイトで公開されている。
調査は各都道府県2箇所ずつ、全国合計94箇所で信号機が設置されていない横断歩道を通過する車両を対象(9,434台)に行った。歩行者が渡ろうとしている場面で一時停止した車は2,014台(21.3%)で、前年の調査時と比べて4.2ポイントの増加は見られるが、依然として約8割のクルマが止まることはなかった。
2016年からの調査開始以来、一時停止率が最も高かった長野県においては、過去最高の72.4%となり、引き続き全国で最も高い結果であった。
一方、京都府では全国平均の21.3%を下回る19.9%と8割以上のクルマが一時停止していない実態が明らかになった。JAF京都支部はこういった現状を踏まえ、この先に横断歩道があることを示すダイヤマークの認知度をあげ、「ダイヤマークが見えたらアクセルOFF!」をキーワードとして歩行者優先意識につなげていただけるよう交通安全講習会や啓発チラシを作るなどして、啓発活動をおこなっている。
▼全国調査:信号機のない横断歩道実態調査2020
https://jaf.or.jp/common/safety-drive/library/survey-report/2020-crosswalk
※調査場所の詳細、2017年までの各都道府県結果(傾向含む)は公表していない。
また、調査場所は各都道府県内2箇所ずつであり、市町村すべての道路で同様の数値(傾向)とは限らず。
本来、交通ルールでは横断歩道に近づいた車両は横断する歩行者がいないことが明らかな場合を除き、その手前で停止できるように速度を落として進まなければならない。さらに、横断歩道を横断しようとする歩行者があるときは、当該横断歩道の直前で一時停止し、かつ、その横断を妨げないようにしなければならないとして、「横断歩道における歩行者優先」を定めている。また、横断歩道の手前で停止している車両がある場合、その側方を通過する車両は、前方に出る前に一時停止しなければならない。
「信号機のない横断歩道」における車の一時停止率の向上で、横断歩行者の事故や死傷者の減少の一助となるよう、JAFは道路標識や道路標示への注意を呼びかけている。
▼危険事例(ドライブレコーダー映像)
https://www.drive-drive.jp/movie?mid=9875