オーストラリア貨物大手がゼロエミッションに向けて動き出す
ABボルボ傘下のボルボトラックは12月7日、豪州からBEVトラックの記録的な受注を獲得したと事を公表した。( 坂上 賢治 )
発注先は、オーストラリアのエクスプレス貨物会社「チーム グローバル エクスプレス( Team Global Express )」で、今回36台のボルボ製BEV電気トラックを発注した。これはボルボトラックがREVトラックに関して、オーストラリアから受注を受けた最大注文になるとしている。
同国の貨物大手であるチーム グローバル エクスプレスは、先の通り36台のボルボFL型BEVトラック( FLエレクトリック )を発注。これらのトラックは、シドニーの大都市圏での集荷および配達車両用に設計・製造されて出荷され、2023年の第1四半期にシドニーの街路を走り始める。なお同用途でボルボFLは5.5トンを積載出来る。
ボルボトラックによると、持続可能なBEVトラックによる輸送業務へ移行させる動きは、当該トラック販売が回復し始めているオーストラリアを含む世界各地で起こっているという。
またそもそもオーストラリアは、来たる2050年迄に炭素中立( カーボンニュートラル )を達成する事を約束している。そんなオーストラリア当地の炭素排出量の19パーセントを輸送が占めており、その38パーセントが道路貨物によるもの。このため当地の輸送業界にはEV化への移行を求める圧力が高まっている。
この発注についてボルボ・グループ・オーストラリアでプレジデント職を務めるマーティン・メリック氏は、「世界の多くの輸送会社が、電気によるゼロエミッション輸送を始めたいと考えている事は明らかです。
ボルボ FL エレクトリックは航続距離の延長と充電性能の向上のために4つの66kWhバッテリー パックが装備され、600Vシングルモーター電気駆動システムと2速オートマチックトランスミッションが採用されている。
なかでもBEVトラックは走行中の排気ガスがCO2ゼロである事に加え、従来型の内燃エンジン搭載のトラックよりも騒音が少ないため、ドライバーと都市住民の両方にメリットがあります。
今回当社は、オーストラリア当地で初めての大型電気トラックの大量受注を受けましたが今後、チーム グローバル エクスプレスを筆頭に、様々な当地の顧客へゼロエミッション輸送で協力出来る事を楽しみにしています」と話している。