ボルボ・トラック社長ロジャー・アルム氏とラヌッティ・グループCEOヴァルター・ラヌッティ氏
ABボルボ傘下のボルボ・トラックは7月19日( スウェーデン イェーテボリ発 )、自社保有の長距離トラック群の更新を積極的に推し進めるイタリアの運輸・物流会社ラヌッティ・グループ( Lannutti Group )から、ボルボFHエアロ トラック( Volvo FH Aero Track )1,500台の受注を受けた。( 坂上 賢治 )
一受注単位でこれだけの取引規模は、ボルボ・トラックスにとっても過去最大取引のひとつとなるもの。そんな1,500台の最新鋭のトラックは、2024年から2025年に掛けてラヌッティ・グループに向けて順次納入される予定となっている。
さて、イタリアに本社を置くこの運輸・物流企業は、ヨーロッパ8か国を事業テリトリーに24 時間・365日体制で2,500台以上のトラックを運行し続けている。そんな同社が今回は、自社の車両更新プログラムの一環として1,500台に上るボルボFHエアロ トラックの注文契約をボルボ・トラックスと締結。
納入する全車両には、燃費性能と安全性を重視した新しいカメラ モニター システムが搭載される。これは通常の物理的なバックミラーに代わる新機能であり、ドライバーの直接視界が強化されて暗い場所や雨天時の視認性が向上するなどで、通常運行に於ける安全性も大きく向上するとしている。併せてキャブ自体の設計も改良されたことにより、空力に係る特性も改善され、前モデルより最大5%燃費が向上したという。
そもそも新しいボルボFHエアロには、FH エアロ、FHエアロエレクトリック、FHエアロガスパワー、FH16エアロの4つのバリエーションが存在するが、今回の受注車両の大半は、廃棄物から生産できるHVO (水素化処理植物油) 燃料で駆動する車両となっており、通常運行にあたってCO2排出量を最大90パーセント削減することができる。また車両オペレーターが、各地域で運行中のトラックの状態を把握できるコネクテッド サービスも搭載される見込みだ。
さて今回、両社が車両発注と受注に至った経緯について、ラヌッティ・グループCEOのヴァルター ランヌッティ氏は、「今回、当社が運行車両の更新を行った理由は、今日の社会からの要請を受けて、低排出ガス車を大規模導入すること。
併せてドライバー達に対して、技術に裏打ちされた高レベルの安全性を提供すること。加えて個々のドライバーの運転環境へ最先端技術を取り入れることで快適性を高め、より快適な職場環境を構築することあります。
こうした技術の車両反映にあたっては、今後もボルボ・トラックスとの連携をより一層深めていくことで、我々自身が、環境面・安全面共に於いて、これからも欧州の運輸産業をリードしていく存在であり続けていきたいと考えているゆえのことです」と述べた。
これを受けてボルボ・トラックスのロジャー・アルム社長は、「今回の車両導入契約は、ラヌッティ・グループが当社を長期に亘るビジネスパートナーとして信頼して頂けていることの証であり、それ自体を我々は、とても誇らしく思っています。
併せてこれだけの大量発注が得られた背景には、新しいボルボFHエアロの車両開発過程に於いて、私たちが常に正しい選択をできているという証でもあります。
また、この新型モデルは、燃料費削減というコスト要因の解決ばかりではなく、CO2排出量の大幅な削減をお約束することによって、お客様のビジネスを下支えすること。
更に当社のクルマのステアリングを握って下さるドライバー各位にとっても、最も安全かつ、快適なトラックであることの揺るぎない証明であり続けていることを示しています」と語った。