NEXT MOBILITY

MENU

2024年7月19日【ESG】

ABボルボ、伊・大手運輸企業から大型トラックを大量受注

坂上 賢治

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ボルボ・トラック社長ロジャー・アルム氏とラヌッティ・グループCEOヴァルター・ラヌッティ氏

 

ABボルボ傘下のボルボ・トラックは7月19日( スウェーデン イェーテボリ発 )、自社保有の長距離トラック群の更新を積極的に推し進めるイタリアの運輸・物流会社ラヌッティ・グループ( Lannutti Group )から、ボルボFHエアロ トラック( Volvo FH Aero Track )1,500台の受注を受けた。( 坂上 賢治 )

 

一受注単位でこれだけの取引規模は、ボルボ・トラックスにとっても過去最大取引のひとつとなるもの。そんな1,500台の最新鋭のトラックは、2024年から2025年に掛けてラヌッティ・グループに向けて順次納入される予定となっている。

 

 

さて、イタリアに本社を置くこの運輸・物流企業は、ヨーロッパ8か国を事業テリトリーに24 時間・365日体制で2,500台以上のトラックを運行し続けている。そんな同社が今回は、自社の車両更新プログラムの一環として1,500台に上るボルボFHエアロ トラックの注文契約をボルボ・トラックスと締結。

 

納入する全車両には、燃費性能と安全性を重視した新しいカメラ モニター システムが搭載される。これは通常の物理的なバックミラーに代わる新機能であり、ドライバーの直接視界が強化されて暗い場所や雨天時の視認性が向上するなどで、通常運行に於ける安全性も大きく向上するとしている。併せてキャブ自体の設計も改良されたことにより、空力に係る特性も改善され、前モデルより最大5%燃費が向上したという。

 

 

そもそも新しいボルボFHエアロには、FH エアロ、FHエアロエレクトリック、FHエアロガスパワー、FH16エアロの4つのバリエーションが存在するが、今回の受注車両の大半は、廃棄物から生産できるHVO (水素化処理植物油) 燃料で駆動する車両となっており、通常運行にあたってCO2排出量を最大90パーセント削減することができる。また車両オペレーターが、各地域で運行中のトラックの状態を把握できるコネクテッド サービスも搭載される見込みだ。

 

さて今回、両社が車両発注と受注に至った経緯について、ラヌッティ・グループCEOのヴァルター ランヌッティ氏は、「今回、当社が運行車両の更新を行った理由は、今日の社会からの要請を受けて、低排出ガス車を大規模導入すること。

 

 

併せてドライバー達に対して、技術に裏打ちされた高レベルの安全性を提供すること。加えて個々のドライバーの運転環境へ最先端技術を取り入れることで快適性を高め、より快適な職場環境を構築することあります。

 

こうした技術の車両反映にあたっては、今後もボルボ・トラックスとの連携をより一層深めていくことで、我々自身が、環境面・安全面共に於いて、これからも欧州の運輸産業をリードしていく存在であり続けていきたいと考えているゆえのことです」と述べた。

 

 

これを受けてボルボ・トラックスのロジャー・アルム社長は、「今回の車両導入契約は、ラヌッティ・グループが当社を長期に亘るビジネスパートナーとして信頼して頂けていることの証であり、それ自体を我々は、とても誇らしく思っています。

 

併せてこれだけの大量発注が得られた背景には、新しいボルボFHエアロの車両開発過程に於いて、私たちが常に正しい選択をできているという証でもあります。

 

また、この新型モデルは、燃料費削減というコスト要因の解決ばかりではなく、CO2排出量の大幅な削減をお約束することによって、お客様のビジネスを下支えすること。

 

 

更に当社のクルマのステアリングを握って下さるドライバー各位にとっても、最も安全かつ、快適なトラックであることの揺るぎない証明であり続けていることを示しています」と語った。

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。