ABボルボ傘下のボルボトラックスは5月2日、大型電動トラック(BEV)シリーズの注文システムを正式始動させたと発表した。( 坂上 賢治 )
より具体的には、世界に向けて〝ボルボFH〟、〝ボルボFM〟、及び〝ボルボFMX〟の注文システムを本格始動させ、既にCO2ニュートラル環境下にあるイェーテボリのTuve工場に於いて、この秋からの量産体制を徐々に拡大させていく構えだ。
この取り組みに対してボルボ・トラックスの社長、ロジャー・アルム氏は「これはボルボ・トラックにとって画期的な出来事です。これらの電動トラックを注文する取り組みに対して、既に多くの顧客から関心のお声を寄せて頂いております。
実はこれまでも、特別な顧客やパートナー企業から電動トラックの購入意向に対する熱心なご用命を頂戴して来ましたが、今後は正式な車両注文に全面的にお応え出来るようになります。これは我々の電動車生産の体制造りに取っても大きな前進となるエポックメイキングな出来事です。
今後、サイレントかつ排気ガスゼロの輸送ソリューションを本格提供出来るようになる事は、我々に取っても企業競争上の明らかな優位点になります」と述べた。
ちなみに目下ヨーロッパ当地に於けるボルボ製電動トラックの出荷対象地域は、ノルウェー、スウェーデン、ドイツとなっており、併せて既に2021年段階で20か国以上・1,100台以上の電気トラックの購入意向書を受け付けている事から、中型電動トラックのボルボFE、ボルボFL、ボルボVNRの量産には着手済みだ。
そうした活動により同社は、都市の流通市場やごみの処理市場を皮切りに、同じく都市の建設輸送や地域の運搬に至る迄、世界のトラック業界に応えられる電気トラックのフルラインナップ体制を構築。今後2030年迄にトラックに係る総売上高の半分を電動車両としていく事を目指している。
また少なくとも現段階のヨーロッパ市場に於いてボルボ・トラックスは、例えば2021年時点に於いて42%のマーケットシェアを誇る電動トラックのリーダー企業となっており、加えて北米に於いても次第に電動トラックメーカーとして主導的な地位を固めつつあるという。