トヨタ自動車は６月２１日、新型アルファード 
とヴェルファイア （共にガソリン車とハイブリッド車（HEV））を、同日より販売すると発表した。
新型アルファード。
新型ヴェルファイア。
なお、月販基準台数は8,500台／月（アルファード約70％／ヴェルファイア約30％）。生産は、トヨタ車体のいなべ工場で行われる。価格は、アルファードが540万円から。ヴェルファイアが655万円から。また、両車共にサブスクリプションサービスの「KINTO（キント） 」でも取り扱われるとのこと。また今後、プラグインハイブリッド車（PHEV）の投入も予定されていると云う。
アルファードは、ミニバンブームの2002年に高級志向のユーザーに向けた「トヨタの最高級ミニバン」として誕生。一方、ヴェルファイアは、アルファードの2代目への進化（2008年）に併せて、より個性を求めるユーザーニーズに応えるべく誕生した。
その後、2015年の3代目では、リヤにダブルウィッシュボーン式のサスペンションを採用し、乗り心地にさらなる磨きをかけた他、最上位グレードの「Executive Lounge（エグゼクティブ・ラウンジ）」を新設。ミニバンから「大空間高級サルーン」へと進化した。
今回のモデルチェンジにあたり、開発チームは、このクルマの価値を改めて議論。“運転する人も、後席に乗る人も、このクルマを使う全ての人が相手を思いやり感謝し合える空間をこのクルマを通じて実現すること＝快適な移動の幸せ”と定義し、従来から受け継がれるその価値を一層追求し、開発を進めてきたと云う。
この「快適な移動の幸せ」の追求のため、今回4代目となる新型アルファード＆ヴェルファイアでは「性能を世界基準に昇華させる」を開発テーマに、プラットフォームを刷新。高級サルーンとして、振動・騒音対策、燃費や走りといった基本性能を向上させつつ、内・外装デザイン、ゆとりの室内空間、使い勝手といった商品性の面で開発テーマにふさわしい価値を持たせるべく改良。
加えて、アルファードとヴェルファイアの個性をさらに明確化するため、ヴェルファイアに専用グレードの「Z Premier（ゼット・プレミア）」を新設定。黒を基調とした金属加飾でアグレッシブさに上質感を加え、個性をより際立たせた外観とした。また、このヴェルファイアらしいデザインに加えて、ユーザーのヴェルファイアならではというこだわりに応えるため、「運転する喜び」が感じられるよう専用のサスペンションチューニングやボディ補強を施し、専用のパワートレーンユニットを設定した。
新型アルファードのインテリア。
Ⅰ．新型アルファード＆ヴェルファイアの主な特徴
（1）堂々としたスタイル
新型アルファード。
一般的な機械式駐車場の制限サイズ（全長5,000mm×全幅1,850mm以下）に収まるボディサイズを維持しながら、ミニバンでは平板になりがちなボディサイド部分の意匠に抑揚を持たせることで、力強く堂々としたスタイルを実現。同時に、限られたスペースを極限まで使い切る工夫でゆとりの室内空間を実現している。
新型ヴェルファイア。
1-1）力強さをテーマにした外装デザイン
「Forceful×IMPACT LUXURY（フォースフル×インパクト・ラグジュアリー）」をキーワードに、全体的なカタマリ感を意識。あたかも闘牛が躍動しているかのようなモチーフデザインに取り組み、突進するような力強さを生み出すべく、フロント部をエンブレム部分が最先端になる逆傾斜の形状に。ボディサイド部分のフロントからリヤにかけては、地面を蹴り出すような力強さを表現するため、ダイナミックに凹凸を持たせた。
1-2）ゆとりの室内空間
運転席のドライビングポジションや2列目シートの構造を工夫し、また3列目シートに於いても、シート脇のクォータートリムやバックドアトリムを0.1mm単位で薄型化。運転席と2列目シート、2列目と3列目シートとの距離を従来型比で其々5mm／10mm拡大した。
新型ヴェルファイアのインテリア。
（2）「おもてなし」の思想に基づいた装備類
乗降時から乗車中まで、すべての時間が上質で心地よい体験となるよう、利用者がどのように使用するか・どういった工夫が利用者の嬉しさに繋がるかを考え抜いて、「おもてなし」をテーマにした装備類を開発・採用。
・従来、天井の左右など、各所に点在していた照明や各種スイッチ類、エアコン吹き出し口などの機能を天井中央に集約するため、スーパーロングオーバーヘッドコンソールを開発。反対側の窓を開閉したり照明を調節可能にするなど、後席のどこにいても使いやすい操作性を実現した。
・小さな子供や高齢者も快適に乗り降りできるよう、スライドドアの開閉に連動し、地上から約220mmの位置にステップを出すユニバーサルステップをトヨタとして初めて（＊1）右側にも採用。またセンターピラーならびに左右の天井には、どのような体格の人でも掴まりやすいロングアシストグリップを設置した。
・後部座席のどこに座っても快適な移動ができるよう、シェードにも工夫。ムーンルーフのシェードには、空を観たい・日差しを遮りたいといった乗客ごとの希望が同時に叶えられるよう左右独立タイプを採用。またサイドサンシェードにはトヨタ自動車初（＊1）となる下降タイプを採用し「日差しを遮りながらも景色を楽しみたい」といった要望にも応えるものとした。
（3）乗り心地・燃費性能
極上のムービングオフィスとして、また上質なプライベートルームとしても利用できるよう、後席の快適性を重視。基本骨格を見直すと同時に、乗員に伝わる振動・騒音の低減に徹底して取り組んだ。また、コンセプトにふさわしい環境性能も備えるべく燃費を改善し、ハイブリッド車に2WD車を新設した。
・TNGAプラットフォーム（GA-K）をミニバン用に最適化。またロッカーをストレート構造とし、同時に車体底部の後方にブレースをV字型に設けることで、車両剛性を従来型比約50％（＊2）アップした。加えて構造用接着剤を、乗員の足元付近には高減衰タイプのものを、車両後方のねじれ等が生じやすい箇所付近には高剛性タイプのものを其々最適に塗布。ボディの変形を効果的に抑制し、優れた操縦安定性と乗り心地を実現した。
・サスペンションは、フロントをTNGA用のマクファーソンストラット式に刷新し、リヤには従来のダブルウィッシュボーン式をベースに新開発したものを採用。合せて、地面から伝わる振動の周波数に応じて減衰力を機械的に可変させる、周波数感応型ショックアブソーバー（＊3）を設定し、しっかりとした操縦安定性と同時に地面からの不快に感じる微細な振動を吸収するようにした。また2列目のシートでは、クッションフレームの取付部分へのゴム製ブッシュ配置や、背もたれ・アームレストへの低反発のフォームパッド（＊4）採用など、徹底的に防振の工夫を実施。乗員に伝わる振動を従来型比約3分の1まで低減（＊2）している。
・ロードノイズや風切り音についても様々な対策を実施。新開発の低騒音タイヤの採用や、カウル等に吸音材を設定するなどのロードノイズ発生源への対策、エンジンフードの先端やドアミラー、フロントピラーといった風圧を強く受ける部分の形状を最適化するなど風切音発生の対策などで、発生する音を抑制しつつ周波数のバランスを整えることで「森の中にいるような」心地の良い静けさを追求した。
・優れた動力性能と燃費性能の両立を図るため、2.5L直列4気筒DOHCエンジン（A25A-FXS）を搭載したトヨタハイブリッドシステムを採用。システム最高出力184kw（250ps）（＊5）の高出力と同時に、従来型から燃費性能を向上（Executive Lounge・E-Four 16.5km/L＊6）させた。加えて、さらなる燃費性能が魅力の2WDも新設（Executive Lounge・2WD 17.5km/L＊6）した。
（4）先進の安全・運転支援システム
・最新の予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を搭載。トヨタのミニバンとして最も充実した機能（＊1）を搭載。
– プロアクティブドライビングアシスト（車線内走行時常時操舵支援）
ドライバーの操作を先読みしてステアリングの反力を変化させることで、不要な操作を抑制したり操作の遅れの防止でスムーズな走行をサポート。
– プロアクティブドライビングアシスト（信号交差点に対する右左折時減速支援）
信号交差点への接近を検出した際、ドライバーのアクセルOFFに加えウインカー操作に応じてあらかじめ減速を支援し、余裕を持った右左折時の操作をサポート。
・高度運転支援技術「トヨタ チームメイト」を搭載。駐車時、渋滞時の運転をサポートする。
– アドバンスト パーク（リモート機能付）（＊7）
車外から専用スマートフォンアプリ「Remote Park（リモート・パーク）」を操作することで遠隔で駐車・出庫ができる機能。
– アドバンスト ドライブ（渋滞時支援）（＊8）
高速道路・自動車専用道路での運転に於いて、渋滞時（0km/h～40km/h）にレーダークルーズコントロールおよびレーントレーシングアシスト作動中にドライバーが前を向いているなど一定の条件を満たすと作動。ドライバーの渋滞時の運転負荷を軽減し、より周囲に注意を払った安全運転をサポート。
Ⅱ．ヴェルファイアの特徴
ヴェルファイアを選ぶユーザーの期待に応えるための進化のあり方を考え抜き、デザイン面に留まらず走りの面でも新型にふさわしい個性を付与した。
（1）「運転する喜び」を感じられる走行性能
・専用チューニング・パワートレーンがもたらす「意のままの走り」を実現。
– フロントパフォーマンスブレース
ラジエターサポートとサイドメンバーを繋ぐヴェルファイア専用のボディ剛性部品を追加することで、走り出しから車両がしっかり動く応答性の良さを実現。
– 2.4L 直列4気筒ターボエンジン
従来型の3.5L V6エンジンに対して低速度域のトルクを増大し、加えてアクセルペダルをショートストローク化した2.4Lターボエンジンを採用することで、少ない操作量でも車両の重さを感じさせない力強い加速を実現。走り出しから常用域での不快なエンジンノイズ低減と、加速時のスポーティなサウンドチューニングにより、運転する楽しさを追求。
（2）金属加飾を施したブラックコーディネート
ヴェルファイアらしさを特長づける専用のグレード「Z Premier」を設定。黒色の「漆黒メッキ」を基調とした金属加飾により、アグレッシブでありながら、モダンかつ上質なデザインを採用した。
Ⅲ．アルファード ウェルキャブ（福祉車両） の特徴
・車外へのシートの出しろが少なく、省スペースでの乗り降りが可能。立ち上がりをサポートするチルト機構やひざへの負担を軽減する2段折れ式フットレストを装備。また今回、新たにシートベルトを取り出しやすくするシートベルトプレートアームやリモコンホルダーを追加し、使い勝手を向上。
[メーカー希望小売価格]（単位：円）
■アルファード（価格帯：5,400,000円～8,720,000円）
＜グレード、パワートレーン、トランスミッション、駆動、価格（消費税込み／＊）＞
– Z、2.5L ガソリンエンジン（2AR-FE）、Super CVT-i、2WD（FF）、5,400,000
– Z、2.5L ガソリンエンジン（2AR-FE）、Super CVT-i、4WD、5,598,000
– Z、シリーズパラレルハイブリッドシステム（A25A-FXS 2.5L）、電気式無段変速機、2WD（FF）、6,200,000
– Z、シリーズパラレルハイブリッドシステム（A25A-FXS 2.5L）、電気式無段変速機、E-Four、6,420,000
– Executive Lounge、シリーズパラレルハイブリッドシステム（A25A-FXS 2.5L）、電気式無段変速機、2WD（FF）、8,500,000
– Executive Lounge、シリーズパラレルハイブリッドシステム（A25A-FXS 2.5L）、電気式無段変速機、E-Four、8,720,000
＊：北海道・沖縄のみ価格が異なる。価格にはリサイクル料金は含まれない。
■ウェルキャブ（型式指定自動車）（価格帯：4,720,000円～5,648,000円）
＜グレード、パワートレーン、トランスミッション、駆動、価格（消費税非課税／＊）＞
– G サイドリフトアップチルトシート装着車、2.5L ガソリンエンジン（2AR-FE）、Super CVT-i、2WD（FF）、4,720,000
– G サイドリフトアップチルトシート装着車、2.5L ガソリンエンジン（2AR-FE）、Super CVT-i、4WD、4,900,000
– G サイドリフトアップチルトシート装着車、シリーズパラレルハイブリッドシステム（A25A-FXS 2.5L）、電気式無段変速機、2WD（FF）、5,448,000
– G サイドリフトアップチルトシート装着車、シリーズパラレルハイブリッドシステム（A25A-FXS 2.5L）、電気式無段変速機、E-Four、5,648,000
＊：北海道・沖縄のみ価格が異なる。価格にはリサイクル料金は含まれない。
■ヴェルファイア（価格帯：6,550,000円～8,920,000円）
＜グレード、パワートレーン、トランスミッション、駆動、価格（消費税込み／＊）＞
– Z Premier、2.4L ターボエンジン（T24A-FTS）、Direct Shift-8AT、2WD（FF）、6,550,000
– Z Premier、2.4L ターボエンジン（T24A-FTS）、Direct Shift-8AT、4WD、6,748,000
– Z Premier、シリーズパラレルハイブリッドシステム（A25A-FXS 2.5L）、電気式無段変速機、2WD（FF）、6,900,000
– Z Premier、シリーズパラレルハイブリッドシステム（A25A-FXS 2.5L）、電気式無段変速機、E-Four、7,120,000
– Executive Lounge、シリーズパラレルハイブリッドシステム（A25A-FXS 2.5L）、電気式無段変速機、2WD（FF）、8,700,000
– Executive Lounge、シリーズパラレルハイブリッドシステム（A25A-FXS 2.5L）、電気式無段変速機、E-Four、8,920,000
＊：北海道・沖縄のみ価格が異なる。価格にはリサイクル料金は含まれない。
[KINTOでの取り扱いについて]
新型アルファードとヴェルファイアは、自動車保険（任意保険）や自動車税、メンテナンスなど、カーライフにかかる諸費用を月額利用料に含めたトヨタのサブスクリプションサービス「KINTO」でも取扱われる。
KINTOでは、販売店に加えて、オンラインでも見積もりから契約までの一連の手続きが可能。アルファードは月額50,490円（税込み）（＊9）から、ヴェルファイアは月額63,800円（税込み）（＊10）からの利用が可能で、中途解約もできる。
また法人や自営業者の利用 にも対応。諸費用を一括して月額利用料として支払いをする仕組みを通じて、支出管理をシンプルにすると共に、月額利用料を経費計上し、損金扱いにすることで（＊11）スムーズな会計処理をサポート。さらに、法人契約では、自動車保険の補償対象として、役職員やその家族（＊12）まで広範囲にカバーすると云う。
＊1：2023年6月現在。トヨタ自動車調べ。
＊2：トヨタ自動車調べ。
＊3：アルファード Executive Lounge、ヴェルファイア Executive Lounge・Z Premierに標準装備。
＊4：Executive Loungeに標準装備。
＊5：エンジンとモーターにより、動力性能として発揮できる出力。トヨタ自動車調べ。
＊6：19インチタイヤ装着時のWLTCモード燃費。国土交通省審査値。
＊7：Executive Loungeのハイブリッド車に標準装備／Z、Z Premierのハイブリッド車にメーカーオプション。
＊8：Executive Lounge、Z Premierに標準装備／Zにメーカーオプション。
＊9：Z（2.5Lガソリン・2WD）の最安値パッケージ、追加オプション無し、「初期費用フリープラン」の7年契約、年2回のボーナス月の月額へ165,000円（税込み）の加算を選択した場合。7年間で支払う金額の合計は6,551,160円（税込み）。
＊10：Z Premier（2.4Lターボガソリン・2WD）の最安値パッケージ、追加オプション無し、「初期費用フリープラン」の7年契約、年2回のボーナス月の月額へ165,000円（税込み）の加算を選択した場合。7年間で支払う金額の合計は7,669,200円（税込み）。
＊11：オペレーティング・リース取引に分類される場合。利用者の財務状況や車両の使用方法によって、メリット・デメリットが異なるため、契約にあたっては、会計士や税理士に確認すること。
＊12：役員や直接雇用関係にある職員（パート・アルバイトを含む）が対象で、派遣社員・委託先社員は含まれない。家族の範囲は、同居の親族（6親等内の血族、3親等内の姻族）と別居の子供まで。
