ゼット・エフ・ジャパン（ ＺＦ Ｊａｐａｎ ／ 本社：横浜市中区、代表取締役社長：多田直純 ）と伊藤忠商事（ 本社：東京都港区、代表取締役社長ＣＯＯ：石井敬太 ）は１２月２０日、脱炭素社会に向けた新サービスをテーマに、〝合弁会社設立〟を含む共同事業化の検討に合意、覚書を締結した。（ 坂上 賢治 ）

今後、両社は〝エネルギーとモビリティの融合（ Energy Meets Mobility ）〟を主要キーワードに両社が持つ事業領域を融合。（１）〝車載リチウムイオン電池のライフサイクルに係るエコシステムの確立〟（２）〝電動小型商用車向けソリューションとエネルギーマネジメントソリューションを融合させた新サービスの開発並びに社会実装〟この２つを新事業のテーマに掲げ、包括的なビジネスモデル構築を目指す。

両社が上記の２つのキーワードを掲げた理由は、近年、物流業界では脱炭素化の観点から「特にラストワンマイルデリバリー車両の電動化ニーズが高まっている事」、それに加えエネルギーマネジメント分野で、「再生可能エネルギーを有効活用するためのＥＳＳ（ 蓄電システム ）開発」が注目されている事。更に車両の非稼働時間帯に於いて「車載電池残量の一部をＥＳＳとして活用するアイデアが活発に議論」され、今まさに実践に移っていく段階を迎えているため。

そこでＺＦ Ｊａｐａｎは、ラストワンマイルデリバリーに適したローリングシャシー（ 小型商用ＥＶシャシー ）に搭載したリチウムイオン電池を、車載時に活用するだけに留まらず、当該車両が退役後もＥＳＳとして積極的に二次活用する手段を検討している。

対して伊藤忠商事は、上記ＺＦ Ｊａｐａｎが示した当該事業を引き受け、既に自社で展開中のＥＳＳ事業を拡張させ、より魅力ある蓄電池リサイクル事業に取り組んでいくとしている。