ドイツの大手自動車機器サプライヤーZFフリードリヒスハーフェン(以下、ZF)の監査役会は、ZF取締役会メンバーに電気工学の博士号を持つマーティン・フィッシャー博士(49)を新たに迎えることを発表した。
同氏の就任は11月1日に予定されており、来年初頭に退任予定のフランツ・クライナー博士を引き継ぐこととなる。
同人事について、ZF監査役会長のフランツ=ヨーゼフ・ペーフゲン博士は、次のように話している。
「マーティン・フィッシャー博士は、複数の大手自動車部品メーカーで約20年にわたり主要機能に取り組み、米国でも長年を過ごし、この間にエレクトロニクスに関する幅広い経験を得ています。また、ボディとシャシのエレクトロニクス分野と運転者支援システム分野を歴任後、近年における従来型トランスミッションから電動トランスミッションへの変革を主導してきた背景から、業界が現在直面している課題にも精通しています」。
マーティン・フィッシャー博士は、ドイツのダルムシュタット工科大学で工学を学び、1999年に電気工学の博士号を取得。
その後、シーメンス・オートモーティブ(Siemens Automotive)での研究プログラムに参加し、シーメンスVDOオートモーティブ(Siemens VDO Automotive)でシャシエレクトロニクスと無線製品などの分野を担当。
2006年には自動車部品メーカーであるヘラー(Hella)に入社し、当初はドイツで、2007年以降は米国で、エレクトロニクス事業における要職を歴任した。
2014年には米国の上場自動車部品メーカーであるボルグワーナー(BorgWarner)に入社。欧州および南米向けのターボチャージャ部門のバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーとして手腕を発揮し、2018年には、米国のデトロイトに拠点を置くボルグワーナーグループのグローバルなトランスミッションシステム事業ユニットのプレジデント兼ジェネラルマネージャーに就任している。
そして2020年1月1日から、米国デトロイトのリボニアを拠点として、ZF理事のフランツ・クライナー博士を引き継ぎ、エレクトロニクスおよびADAS、アクティブ・パッシブセーフティ事業部、北米および南米地域、ならびにコーポレート・クオリティ(企業品質)を担当する。
ZF監査役会長のペーフゲン博士は、次のように話している。
「フランツ・クライナー博士はZFの米国拠点の取締役として、2015年に買収したTRWの急速な統合に際して数々の重要な決定を行い、当社の成功に多大なる貢献をしてくれました。クライナー博士には、監査役会を代表して謝意を述べるとともに、彼の人生の新たなステージが素晴らしいものとなるよう願っております」。