自動車用アンテナ製造大手のヨコオは4月9日、モビリティ向けのITサービスを担うZenmov(ゼンモブ)に出資、MaaS事業の加速を推し進めていく。
Zenmovは2019年に設立したスマートモビリティを支えるプラットフォーム「SMOC(Smart Mobility Operation Cloud)」を展開しているスタートアップ企業。
移動にまつわるストレスを無くすことをビジョンに掲げ、公共交通、渋滞解消、物流、カーシェアリング、GXをメインテーマに、これらの業務効率向上をSMOCの提供を介した実現を目指している。またその活動領域は日本だけではなく、東南アジア、中東、近年では北米まで広げている。
一方のヨコオは、自動車用アンテナ分野で培ってきた技術を生かし、2019年にMaaS向けの「無人鍵制御システム」を開発した。当該製品は、管理する車両台数の多いレンタカー事業者や、カーシェアリング事業者向けに、機器の販売のみを行ってきた。
その後も製品開発を続け、2022年にZenmovと共同で、スマートフォンアプリを用いて自動車の鍵の開閉を行うシステムと、予約や運用管理を行う車両管理システムを開発し、トータルソリューションとして提供できるシステムを開発。同システムは、自社で専用のシステム開発をするのが難しい中小規模のレンタカー事業者やカーシェアリング事業者向けに開発されたものという。
そうした折り、2021年10月に閣議決定された「地球温暖化対策計画」の目標達成のための対策・施策の一つに「脱炭素型ライフスタイルへの転換」があり、カーシェアリングがその具体的な対策として取り上げられている。
そこで両社は、名古屋市西区で本年1月に開始した、FCVを用いたカーシェアリングサービスに両社で参画するなど良好な関係を構築してきた。
そして今後は、Zenmovがグローバルで行っているスマートモビリティ実現のための取り組みに、ヨコオが長年培ってきたアンテナ技術を組み合わせ、利便性の高いモビリティシェアリングの構築やモビリティの課題解決、それらを通じた脱炭素社会の実現に貢献していく構えと話している。
Zenmovの概要
社名 :Zenmov株式会社
代表者 :代表取締役社長 田中 清生
本社所在地 :東京都目黒区下目黒1-8-1 アルコタワー
事業内容:スマートモビリティプラットフォーム(SMOC)の企画、開発、製造、販売